皮膚に水疱が出現する場合、虫やクラゲ、軟体動物などに刺されたり噛まれたことが起因することもありますが、以下の疾患が原因で生じる場合もあります（以下一例）。
・異汗性湿疹
・掌蹠膿疱症（膿疱以外に水疱が出現することも）
・水痘・帯状疱疹ウイルス（VZV）の初感染時
・水痘・帯状疱疹ウイルス（VZVの再活性化が起きて発症する帯状疱疹
・単純ヘルペスウイルス（HSV）感染症
・手足口病
・ヘルパンギーナ
・膿痂疹（いわゆる、とびひ。特に黄色ブドウ球菌による場合）
・先天性表皮水疱症
・後天性表皮水疱症
・水疱性膿痂疹
・水疱性類天疱瘡
・尋常性天疱瘡
・落葉状天疱瘡
・水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症（表皮融解性魚鱗癬）
・接触皮膚炎
・好酸球性膿疱性毛包炎
・血管炎
・全身性エリテマトーデス
・貨幣状湿疹
・自家感作性皮膚炎
・アトピー性皮膚炎
・火傷
・足白癬（小水疱型）
・手白癬（小水疱型）
・晩発性皮膚ポルフィリン症
・赤芽球性（骨髄性）プロトポルフィリン症
・先天性骨髄性ポルフィリン症
・Ｘ連鎖優性プロトポルフィリン症
・肝性骨髄性ポルフィリン症
・中毒性表皮壊死症
・疥癬
 など
サイトカインの1つであるIL-31は、アトピー性皮膚炎など複数の皮膚疾患においてかゆみと炎症への関与が考えられていますが、水疱性類天疱瘡の水疱液中にIL-31が多数存在し、好酸球を産生している、との報告も見られています。
上記疾患で水疱が出現しない場合もあり、また上記以外の疾患で水疱が生じる場合もありますが、水疱はかさぶたになったり（結痂）、ジュクジュクした状態になったり（湿潤）、皮膚片が剥がれ（落屑）、皮膚が厚くなったり（苔癬化）、色素沈着を起こしたり、治癒するといった経路パターンが考えられています。今後も水疱など皮膚症状について掲載したいと思います。