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鶏卵アレルギー児と亜鉛

2023.03.08

投稿者
クミタス

低体重出生児、低栄養状態の方において、欠乏する栄養素の1つに亜鉛が挙げられ、低出生体重児においては、腸管からの亜鉛吸収能が未熟な状態である場合があり、亜鉛摂取量が少ないと急速な体の発育に伴う亜鉛需要に対して亜鉛の体内備蓄量が不足となり、亜鉛欠乏状態になるリスクがあります。
皮膚の恒常性維持と亜鉛
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1932 
鶏卵は亜鉛を多く含む食品ですが、鶏卵摂取を制限している児においてはどのような状態なのでしょうか?

鶏卵にアレルギーのある児とそうでない児50例(対照群)を対象とし、午前中空腹時の亜鉛値,25OH ビタミンD、ヘモグロビン、血清鉄、身長、体、BMIを評価し、2群間で比較検討したところ、鶏卵にアレルギーのある群(年齢0.9-6.8 歳(中央値 2.2 歳))と対照群(年齢0.9-6.1 歳(中央値 2.3 歳)で、2群間に有意差はなく、
血清亜鉛値(μg/dL)の 中央値(四分位範囲)は、鶏卵にアレルギーのある群で67(63-75)、対照群で76(71- 84)で、鶏卵にアレルギーのある群が有意に低値であった(p<0.001)。
亜鉛欠乏 (60μg/dL 未満)の割合は、鶏卵にアレルギーのある群 8/64(13%)、対照群 0/50 (0%)、潜在性亜鉛欠乏(80μg/dL 未満)の割合は、鶏卵にアレルギーのある群 53/ 64(83%)、対照群 32/50(64%)で、いずれも 鶏卵にアレルギーのある群で有意に多かった ( p = 0 . 0 0 9 , p = 0 . 0 3 0 )。2 5 O H ビタミンD、ヘモグロビン、血清鉄、身長、体重、BMI(年齢別 SD 値)に 2 群間での有意差はなかった。
鶏卵にアレルギーのある群において、全卵1/8個摂取不可能例は摂取可能例よりも有意に亜鉛値が低かった(p=0.011) (出典・参照:牧田英士 黒田早恵 板橋佳恵 菅原大輔 市橋光 自治医科大学附属さいたま医療センター小児科 さいたま赤十字 病院小児科 鶏卵アレルギー児における血清亜鉛値の評価)。

鶏卵にアレルギーがあり摂取を継続除去をしている児においては、亜鉛欠乏の可能性も踏まえ、亜鉛を多く含む他の食品の摂取も心掛けられるのが良いかもしれません。
鶏卵以外に亜鉛を多く含む食材一例:牡蠣、ほたて、あわび、あさり、たらばがに、たらこ、かたくちいわし、しらす干し、かつお節、うなぎ、海苔、わかめ、あおさ、ひじき、いくら、牛肩ロース、牛もも肉、牛レバー、鶏レバー、豚レバー、牛バラ肉、豚ロース肉、鶏もも肉、切干大根、枝豆、しそ、たけのこ、きな粉、油揚げ、納豆、こうや豆腐、納豆、油揚げ、かぼちゃの種、ごま、チーズ、アーモンド、ピーナッツ、くるみ、小麦胚芽など

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