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金によるアレルギー

2023.06.11

投稿者
クミタス

金属アレルギーは、皮膚に金属が接触して皮膚症状が出現するタイプ、歯科金属や食物・飲料、薬剤に含有される金属が体内で吸収され発症する全身型金属アレルギーのタイプがあります。全身型金属アレルギーで比較的出現することの多い汗疱状湿疹においては、ニッケル、クロム、コバルトのパッチテストで陽性を示すことが多いとの示唆もあります。
​また掌蹠膿疱症、扁平苔癬の発症要因の1つに金属が考えられていますが、金属アレルギーのある方、掌蹠膿疱症のある方、扁平苔癬のある方の原因金属の傾向に関する報告があります。

パッチテストパネル(S)(佐藤製薬)の24種にウルシオールを追加し、皮膚貼付試験を5年間、75例(男性27例、女性48例、55.7±18.7歳、金属アレルギー単独群は22例、掌蹠膿疱症合併群は13例、扁平苔癬合併群は7例、その他)に施行したところ、金チオ硫酸(金)、ニッケル、塩化コバルト、パラフェニレンジアミン、カルバミックスの順に多かった。
疾患別に検討すると金属アレルギー群、掌蹠膿疱症群、扁平苔癬群の3種の疾患は全て金が最も陽性率が高く70%以上を占め、次ぎに多いのは金属アレルギー群では塩化コバルト,掌蹠膿疱症群ではニッケルとカルバミックス、扁平苔癬群ではカルバミックスとパラフェニレンジアミンの順に多かった。全般的に金に対するアレルギー反応の増加が目立った(出典・参照:前田学 最近 5 年間の金属アレルギー患者に対する皮膚貼付試験の検討)。

上記では金属アレルギー群、掌蹠膿疱症群、扁平苔癬群とも金が最も陽性率が高い結果となっていますが、金属アレルギーにおいては金が原因金属となることも少なくないところでもあります。
ジャパニーズスタンダードアレルゲンシリーズ(JSA)のなかで、硫酸ニッケル、金チオ硫酸ナトリウム(金)の陽性率は高くなっている傾向があり.男女別で陽性率をみると,硫酸ニッケルと金チオ硫酸ナトリウムは女性の方が陽性率が高い(出典・参照:鈴木加余子 JSAの陽性率から見る日本人の金属アレルギー)との示唆もあります。金はアクセサリー、歯科金属などに使用されていることがありますが、金属アレルギーについては以下などもよろしければご覧ください。
マウスピースによる金属アレルギーの可能性
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2989
下痢型過敏性腸症候群とニッケル
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4334

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