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昆虫による皮膚炎〜刺激物質

2023.06.28

投稿者
クミタス

昆虫の体液が付着して皮膚症状を生じることがあります。

・体液にペデリンを含むハネカクシ類(アオバアリガタハネカクシ、コアリガタハネカクシなど)
成虫を手で払ったり触れて体液(原因物質:ペデリン)が皮膚に付着して、線状に炎症を生じる線状皮膚炎などが生じることがあります。
アオバアリガタハネカクシによる皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4402

・体液にカンタリジンを含むカミキリモドキ科に属するアオカミキリモドキ、ツマグロカミキリモドキなど、ツチハンミョウ科に属するヒメツチハンミョウ、ムラサキオオツチハンミョウ、マメハンミョウ、キイロゲンセイ、ヒラズゲンセイなど
掴んだり触れて分泌される体液(原因物質:カンタリジン)が皮膚に付着して、水疱が出現し水疱性皮膚炎を生じることがあります。

写真:ヒメツチハンミョウ
飛翔せず、地表を歩き回っていることが多い。

写真:マメハンミョウ
幼虫期はイナゴ類やバッタ類の卵を食べて育つ肉食性、成虫になると草食性となりシロツメグサ、ダイズなどのマメ科植物、ジャガイモ、ナス、ニンジンの葉などを食べます。

カンタリジンに誘引される虫も存在し、ヌカカの中にはカンタリジンに誘引され、ヒメツチハンミョウなどツチハンミョウ科やカミキリモドキ科に属する虫の体液を吸うものも見られるとの報告もなされています。

ヌカカによる皮膚症状
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4616

 ・ベンゾキノンを含む高温のガスを噴出するゴミムシ類(ミイデラゴミムシ,オオホソクビゴミムシなど)
腹部先端からガスを噴出し(原因物質:ベンゾキノン)、皮膚に付着すると刺激感や褐色の色素沈着を生じることがあります。
 
・メタクリル酸、エタクリル酸を含むオサムシ類(マイマイカブリ,オオオサムシなど)
腹部先端から噴射し(原因物質:メタクリル酸、エタクリル酸など)、皮膚に付着すると痛みや灼熱感を感じることがあります。

また、チャドクガの毒針毛に接触して皮膚炎を生じることがあります。こちらも併せてご覧ください。
チャドクガによる皮膚炎の例から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4644

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