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2023.07.06
魚類の主要アレルゲンであるパルブアルブミン(PA)は、ほぼ全ての魚種に存在しており、パルブアルブミンがアレルゲンの場合は、複数の魚種にアレルギー症状を生じる可能性がありますが、パルブアルブミン以外のアレルゲンに反応する場合など、特定の魚種のみに症状出現する場合もあります。
ブリ、ハマチ単独のアレルギーと考えられた例については以下にて掲載しており
ブリ、ハマチによる反応
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4110
ハマチがさらに成長した状態でブリと称され、ハマチとブリは同じ魚になりますが、今回は異なる魚で同じくスズキ目アジ科ブリ属に属するブリとカンパチにのみアレルギー症状を呈した例について掲載します。
食物アレルギー既往のない10歳男児。給食でブリ、カンパチを摂取後、校庭を走っている最中に全身の蕁麻疹、腹痛が出現した。生ブリと生カンパチのprick-to-prick testでは、生ブリは陽性、生カンパチは疑陽性であった。焼いたブリの食物経口負荷試験では、全身の蕁麻疹、腹痛、煮たカンパチの食物経口負荷試験ではアナフィラキシーが誘発された。両魚種以外の魚類は摂取可能で、測定し得た魚類の特異的IgE抗体価が全て陰性であったことから、パルブアルブミンとは異なる両魚種に特異的なアレルゲンが原因と考えられた(出典・参照:吉川英樹 井上博貴 食物経口負荷試験が診断に有用であった即時型ブリ・カンパチアレルギーの1例)。
魚類のアレルゲンにおいては、パルブアルブミン(PA)以外に、コラーゲン、エノラーゼ、アルドラーゼなどが挙げられています。
パルブアルブミンの含有量は魚種によっても、部位によっても異なり、またツナ缶やサバ缶などの缶詰製品においては、パルブアルブミン(PA)の三次構造が圧力により変化し、アレルゲン性が低下することもあるともみられています。また、出汁など魚加工品によっては摂取可能な場合もあります。よろしければ以下もご参照ください。
魚にアレルギーがある場合、出汁への反応程度は?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2160
魚アレルギー~摂取可能な魚、魚加工品がある場合も
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2811
キハダマグロのアレルゲン
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3441
魚アレルゲンの特徴から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4521
同じ魚と認識されている中での症状の違い
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4543
それぞれの魚のアレルゲンやアレルゲンの特徴について、またアップデートしていきたいと思います。
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