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Pork-cat syndrome(Pork-cat 症候群)〜牛乳との交差抗原性

2023.11.02

投稿者
クミタス

Pork-cat syndrome(Pork-cat 症候群)では、ネコの血清アルブミン Fel d 2 に感作した後、豚肉摂食時に交差反応性のある豚肉の血清アルブミン Sus s 1 との交差反応によりアレルギー症状が出現するとみられ、牛肉など豚肉以外の摂食で症状出現する場合があり、牛乳アレルギーとの合併も一部で見られています。
今回は、牛乳摂取後にPork-cat syndrome(Pork-cat 症候群)と考えられる症状が出現したケースにおいて、牛乳とネコ被毛上皮との交差反応性を示した報告を掲載したいと思います。
 
9歳女児。出生前から家人がネコを飼育しており、7歳ごろから牛肉、豚肉、牛乳を摂取した後、1〜3時間後に蕁麻疹、喘鳴、腹痛、下痢などの症状が生じたため受診。抗原特異的IgEは、豚肉、牛肉、牛乳、イヌ、ネコ、ネコアレルゲンFel d 1、ネコアレルゲンFel d 2、ネコアレルゲンFel d 4、豚アレルゲンSus s で陽性、プリックテストでは生の豚肉、牛肉、牛乳で(3+)で陽性、焼いた牛肉、豚肉、加熱牛乳では(1−2+)と反応が減弱していた。
イムノブロットにより豚肉とネコ被毛上皮抽出物の同じ分子量(67kDa)の蛋白に患者血清Ig Eの結合を認め、阻害試験で交差反応が確認され、Pork-cat syndrome(Pork-cat 症候群)と診断、牛肉とネコ被毛上皮抽出物、牛乳とネコ被毛上皮抽出物でも患者血清IgEの結合を認め、阻害試験で交差反応が確認された(出典・参照:武輪鈴子 千貫祐子 原田佳明 中村眞紀子 林振作 谷内昇一郎 小松病院 島根大学医学部牛乳と交差抗原性を示したpork-cat syndrome の1例)。

牛乳と牛肉にアレルギー症状がある場合、Pork-cat syndrome(Pork-cat 症候群)以外のケースもあります。
血清アルブミンによるアレルギー①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4653
Pork-cat syndrome(Pork-cat 症候群)においては、イヌ、ハムスターアレルゲンに感作し、馬肉摂取で症状誘発したと見られるケースの報告などもありますが、今後も追記したいと思います。

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