ポリアクリル酸ナトリウム製ビーズ玩具を誤飲し、体内で膨張し器官が閉塞したケースについて、以下で掲載しておりますが
水で膨らむビーズを誤飲してしまったら
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1096
ポリビニルアルコール(別名:ポバール、略称:PVA)製ビーズ玩具を耳に入れてしまい、病院での摘出が必要になったケースについて掲載します。
午後4時に本児(2歳7か月女児。体重:12kg 身長:88cm)がリビングの床に座り一人で違うおもちゃで遊んでいた。同室の机で母と姉はビーズで遊び、午後5時にビーズを片付け児の手の届かないところにしまった。午後6時に母が本児の鼻汁がピンク色であることに気づいた。本児に問うと「2つ」と言ったので、異物を挿入した瞬間は誰も目撃していなかったが、鼻腔異物を疑い午後8時に救急外来を受診。救急外来医師により左右の鼻腔に1つずつビーズを目視で確認した。一部溶解し鼻腔より突出していたため、一部を鑷子で把持し両鼻腔異物を摘出した。摘出後再度鼻腔を確認すると右鼻腔にもう一つビーズ(3つ目)を確認し、奥であったため鼻用鑷子に変えて摘出できた。摘出したビーズはいずれも変形しており、柔らかく、粘着性があった。鼻出血などの合併症はなく同日帰宅とし、X+5日後に本児宅に電話をして、合併症なく経過していることを確認した(出典・参照:ビーズ玩具による鼻腔異物(No.116 ビーズ玩具による外耳道異物・鼓膜穿孔の類似事例1))。
自宅のリビングで本児(4歳8か月男児。体重:19 kg 身長:105 cm)が一人でビーズを用いて遊んでいて、午後6時に児より「ビーズを耳に入れた」と母に申告があった。母の目視では確認できず午後8時に救急外来を受診した。耳鼻科医により左外耳道にビーズを目視で確認したが、奥にはまっており痛みを伴い、体動が激しく覚醒下では摘出できなかった。ケタミンを経静脈投与した鎮静・鎮痛下で、鑷子、耳鏡を使用し摘出した。摘出はビーズの鼓膜との癒着や出血により難渋し、鎮静開始から終了まで1時間を要し、適宜鎮静薬を追加した。摘出したビーズは5mm大で粘着性があり、左鼓膜穿孔を伴っていた。経過観察目的に一泊入院とし、X+1日に覚醒しても、めまい・ふらつきなく退院した。小児耳鼻科に外来通院して、X+2か月時点で鼓膜の閉鎖を確認。再診時に明らかな聴力低下の症状は認められなかった(出典・参照:日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 Injury Alert(傷害速報) No. 116 ビーズ玩具による外耳道異物・鼓膜穿孔)
上記2例においてはポリビニルアルコール(別名:ポバール、略称:PVA)製玩具(製品の大きさは直径5mm)が摘出され、PVAはポリ酢酸ビニルを加水分解して合成されるビニルアルコールの重合体、かつビニル系水溶性高分子で、水溶性と接着力という特徴から、水性塗料、接着剤、のり剤(液状糊)、医療分野において使用されています。本PVA製ビーズ玩具は霧吹きで水をかけた後に乾燥させるとビーズ同士が接着して好みの形状にアレンジができますが、少量の水分が存在した後に乾燥すると、外耳道異物例に提示された様に生体に接着して摘出に難渋し、鼓膜に接着した場合には摘出時に穿孔を合併する可能性があります。
今までにも報告例は見られており、PVA製ビーズ玩具は人体へは低吸収性で消化管毒性は低いと考えられていますが、耳に入れた際に接着、鼓膜穿孔のリスクがあることを記しておきたいと思います。
ポテトチップスうすしお味 140g
17155
はるまま
ちょっと食べたいけど1袋…