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エピペン使用に際して

2025.07.20

投稿者
クミタス

 エピペン使用時に、注射を打つことの不安があったり、体動があり注射を打ちにくい、また注射の痛みへの恐怖があり、落ち着いて投与できない場合もありますが、手技上の課題が背景となり皮膚裂傷を生じることがあります。
 
4歳10か月の男児。クルミおよびカシューナッツアレルギーに対し完全除去を指示しエピペンⓇが処方された。クルミを含むお菓子を誤食しアレルギー症状を生じ、母親がエピペンⓇを大腿部に押し付ける時は十分な固定を行っていたが、エピペンⓇが体から離れる前に固定を緩めてしまったために児が動き右大腿に切創を生じた。来院時アレルギー症状は消失していたが、切創は瘢痕を残した。針が自動で収納されると誤認していたためエピペンⓇの針が飛び出した後すぐに固定を緩めてしまい切創につながった(出典・参照:迫貴文, 今給黎亮 現行の指導法で防げなかったアドレナリン自己注射製剤(エピペンⓇ)による大腿部切創例)。
 
エピペンⓇ使用時の不十分な固定による外傷性有害事象の報告が複数見られていますが、上記では、現行の資料や指導法で事前の固定はできていたことから,エピペンⓇの先端を押し付けている間は針が露出し続けていることが理解されていれば切創を防ぎ得たと考えられ、その旨の説明が必要、と示唆しています。以下も併せてご参照ください。
エピペン使用時の注意点から
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1744 
エピペン注射の手技の現況として
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3606 

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