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毛虫皮膚炎による眼の疾患

2026.03.30

投稿者
クミタス

有毒毛を有するドクガ類(チャドクガ,、ドクガ、モンシロドクガなど)やイラガ類 (ヒロヘリアオイラガ、ヒメクロイラガ、イラガなど) の幼虫の毒針毛が皮膚に刺入し、プロテアーゼ、エステラーゼ、ヒスタミンなどの成分によって皮膚炎を生じることがあります。
毛虫皮膚炎のケースにおいて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4805 
 
ホップ栽培地などでは11月頃までモンシロドクガが活動しているなど、毛虫皮膚炎は厳冬期を除く時期で発症可能性があります。電動ファン内蔵上着のファンを通して発症したケースも見られており、また、その毛虫の毛により眼の疾患を生じる可能性があります。
角膜上皮欠損、角膜混濁、表層角膜症、結膜炎、眼内炎、難治性ぶどう膜炎、視力低下、眼痛、流涙結膜充血など

・50歳男性。植木作業中に右眼に何かが飛入した。その後眼痛が出現し救急外来を受診。初診時所見は、球結膜充血、角膜全体に点状表層角膜症と約0.5mm長の虫毛を約100本認めた。発症原因となった木に生息していた毒ガの毒針毛と除去した虫毛が一致したことからモンシロドクガと推定することができた。

・48歳男性。右眼視力低下で受診。8日前に木を伐採中、右眼を拭った腕に毛虫が付着していた。同日某医で右瞼結膜に刺入した数本の毛を除去されたが、その後視力が低下し眼内炎が指摘されていた。右眼は矯正視力0.01で、前房蓄膿と硝子体混濁があり前房洗浄と硝子体切除術が行われた。術中に採取した眼内組織からの細菌と真菌培養は陰性。薬物療法で炎症は軽快し右眼視力は0.6に改善した。2か月後に眼内炎が再発し視力が0.04に低下。薬物投与で硝子体混濁が軽快したときに、小さな線状の硝子体混濁が2個発見され、再度の硝子体切除術中に硝子体内に2本の毒針毛と毛様体扁平部に1本の毒針毛を発見、摘出された。以後経過は良好で、1.2の視力を維持している。

毒毛虫による眼障害においては、虫体が眼球に衝突して、毒針毛が付着していた手や腕で眼を拭って、毒針毛が風に吹かれて、衣類やタオル、寝具に付着した毒毛が眼に入るなどが背景に挙げられています。気づかないうちに毒針毛が眼に入っている場合がありますが、痛みが強い、充血が強い、視界が白くかすむ・にじむ、異物感が続く(ゴロゴロする)、まぶたが腫れて赤くなる、 症状が数時間〜翌日になって悪化しているなどの場合は受診するのが望ましいでしょう。

出典・参照:森田啓文, 伊比健児, 西田進五, 田原昭彦, 横山満, 金澤保, 川本文彦 産業医科大学眼科学教室 産業医科大学電子顕微鏡室 産業医科大学寄生虫学・熱帯医学教室 名古屋大学医学部国際保健医療学教室 毛虫の毒針毛による眼内炎の1例 ほか

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