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2015.07.06
消化酵素は食べ物を分解して栄養を体内に吸収するうえで、手助けをしています。
消化酵素は腸内(腸液)だけでなく、唾液、胃液、膵液にも存在しており、酵素によって消化する対象が異なります。
〇でん粉(ショ糖、乳糖)をデキストリン、麦芽糖まで分解する唾液アミラーゼ
唾液腺および唾液に存在します。
唾液アミラーゼは生後6か月から成人に近いレベルでの活性になります。
〇でん粉(ショ糖、乳糖)をデキストリン、麦芽糖まで分解する膵液アミラーゼ
膵臓およびすい液に存在します。
膵液アミラーゼは生後4か月までは存在しておらず、乳児期の間は十分とは言えません。
⇒ここまで多糖類はまだ多糖類の状態ですが、この時点で単糖類にまで分解されると、栄養吸収効率も悪くなるため、多少カットされた状態で、次に腸でさらに分解されることになります。
乳児期初期は特に膵液アミラーゼは十分ではないため、多糖類のカットはそれほど進みません。
〇麦芽糖からブドウ糖まで分解するα-グルコシダーゼ(マルターゼ)
〇ショ糖からブドウ糖+果糖まで分解するスクラーゼ
〇乳糖からブドウ糖+ガラクトースまで分解するラクターゼ
上部小腸粘膜に多量に存在する2糖類分解酵素になります。
マルターゼ、スクラーゼは胎生24週で成人並みの活性になり、ラクターゼは哺乳2~3日で消化に必要な活性を示します。
乳児期には、ラクターゼの活性(乳糖分解酵素)が高い状態にあり、母乳や乳児用ミルクを分解し乳糖を吸収できます。乳児期はこの乳糖が重要な栄養源になりますが、多くはありませんがラクターゼが先天的に無い場合や、下痢が長引いてラクターゼ活性が低下してしまうことがありますので、下痢を長引かせないうえでも受診するのが望ましいです。
ラクターゼの活性(乳糖分解酵素)は2歳ごろには低下をし、だんだん乳糖から十分なエネルギーを得ることが出来なくなります。
唾液アミラーゼは生後6か月から十分な活性になり、膵液アミラーゼは生後5か月ごろ以降から少しづつ活性していきます。この頃からでん粉質の離乳食と並行していくようになり、乳糖からでん粉への糖吸収へと移行していきます。
ただ、1歳くらいまでのうちは、多糖類の分解力はまだ弱いため、未消化による下痢を防ぐ上でも、ごはんであれば粥の状態から始めるのが良いでしょう。
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