コンタミネーションがある場合の表示
食品を生産する際に、原材料として使用していないにもかかわらず、アレルギー物質が微量混入してしまう場合、コンタミネーションと呼び、コンタミネーションがある場合、以下のように表示が必要になります。
○同一製造ライン使用によるコンタミネーション
・「本品製造工場では○○を含む製品を生産しています」
・「○○を使用した設備で製造しています」等。
○原材料の採取方法によるコンタミネーション
・「本製品で使用しているしらすは、かにが混ざる漁法で採取しています」
○えび、かにを捕食していることによるコンタミネーション
・「本製品で使用しているイトヨリダイは、えびを食べています」
参考:アレルギー物質を含む食品に関する表示Q&A
コンタミネーションは意図せぬ混入であり、同工場内、同一製造ラインにて原材料で使用していない成分を含むことですが、主に、同工場内、同一製造ラインで複数製品を製造し取り扱う場合に、洗浄をおこなっても、残留することがあります。
表示が必要な量とは?
アレルギーに関する表示に関しては
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_230309_15.pdf
(C-4)に記載されていますが、
食物アレルギーを起こし得るアレルゲンの含有量は、数μg/gレベルまでであり、ng/gレベルでは、一般的には、アレルギー反応を誘発することは少ないであろうと考えられています。
今までにも最終製品の中に残存する特定原材料等の量が数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合、
概ね10μg/ml濃度レベル未満又は10μg/g含有レベル未満(=10ppm未満程度)の場合は表示が免除される、10ppmを超える場合については表示をする見解などが議論されています。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/4383/00164337/4_keynote%20lecture3.pdf
https://www.cao.go.jp/consumer/history/02/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/130530_shiryou1-2.pdf
https://www.cao.go.jp/consumer/history/02/kabusoshiki/syokuhinhyouji/bukai/023/gijiroku/index.html
アレルギー症状出現においては個人差がありますので、必ず10ppm未満で
症状出現しない、一律に何ppmであればアレルギーリスクが低いとは言えない面がありますが、1つの目安として議論されてきた経緯がありますことを記載させていただければと思います。
コンタミネーションにおいては、
製造設備の洗浄などをおこなってもコンタミネーションの可能性が排除できない場合は、注意喚起表示が推奨されており、表示の目安においては上記のアレルギー誘発性を踏まえた数値が参照されており、
特定原材料7品目が常に必ずコンタミネーションにより最終製品中に一定量含まれる場合は、コンタミネーションとしての表記ではなく、原材料を構成するものとして原材料内でのアレルギー表示となります。
10ppmの重量目安
10ppmとはどの程度の量なのでしょうか?
10ppmとは10μg/gのことであり、1gあたりに10μg含まれると10ppmになります。
つまり、100gの食品に卵が1000μg=1mg含まれると表示が必要になり、0.9mgだと表示の必要がなくなります。
目安として
卵黄は卵1個Mサイズの中に20g、卵白は約30g
大さじ1杯は卵黄で約15.4g、卵白で約15.7g
小さじ1杯は卵黄で約5.13g、卵白で5.23g
耳かき1杯は卵黄で約0.028g(28mg)、卵白で約0.028g(28mg)
(形状や盛り方によっても差がありますのであくまで概算値になります)
他概算値
塩粒 1粒は約0.1㎎=100μg
乾燥したダニ 1匹は約0.1㎎=100μg
ミジンコ 1匹は8μg
コンタミネーションがある場合、どの程度の量が含まれるのか?
実際にコンタミネーションがある場合、どの程度の量が含まれるのでしょうか?
コンタミネーションとして表示調査結果の中で、以下数値が報告されています。
■器具などの洗浄不足によるコンタミネーション~努力しても検出される場合も
そば混入の可能性があり検査した23件のうち、ELISA法による測定結果はほとんどが1ppm以下であり、19件がそばを同一工場内で製造しているめん類製造工場であった。
同検査内での高値
生ラーメンにそばの混入:1.25μg/g~2.3μg/g =1.25ppm~2.3ppm
うどんにそばの混入: 1.52μg/g~ 1.59μg/g =1.52ppm~1.59ppm
アイスコーヒーに乳の混入:1.32μg/g~2.04μg/g =1.32ppm~2.04ppm
やぶれまんじゅうに乳の混入:2.54μg/g~3.54μg/g =2.54ppm~3.54ppm
魚肉練り製品に卵の混入:1.70μg/g~4.57μg/g =1.70ppm~4.57ppm
そばに卵の混入:4.49μg/g~9.23μg/g =4.49ppm~9.23ppm
参考:山口県内を流通する食品中のアレルギー特定原材料検査事例について(平成16年度~平成18年度)
■原材料に表記していないが含有~表示漏れの場合も
卵混入の可能性があり検査した17件のうち、卵白を使用しない魚肉練り製品と表示しているものに間違えて卵白を使用したものが2件、同一工場内で卵を使用した製品を製造しておりコンタミネーションと判定されたものが9件であった。
同検査内での高値
魚肉練り製品(蒸し蒲鉾)に小麦が含有:16.5μg/g~25.6μg/g =16.5ppm~25.6ppm
魚肉練り製品に卵が含有:20μg/g~25.60μg/g =20ppm~25.6ppm
参考:山口県内を流通する食品中のアレルギー特定原材料検査事例について(平成16年度~平成18年度)
コンタミネーションにおいては、同一製造ライン上で複数商品を製造する場合は、完全に混入を防ぎきれない面がありますが、一方その商品の製造に使用している成分の確認不足や表示漏れがある場合に、20ppm以上で検出される場合があります。
仮に100gの食品に表示がなされずに20ppm含まれていた場合、100g中に2mg含まれることになりますが耳かきで換算すると約1/14杯ほど、ということになります。
コンタミネーションにおいても、実際に最高値でどれくらい含まれるかについての表示が成されているわけではないため、コンタミネーションとして表示がある成分がどの程度含まれているかが明らかになったうえで購入することはできませんが、コンタミネーションとして表示されている成分が、原材料として使用している成分より多く含むケースは少ないかと思います。
ただし、検査方法によって、また検査キットによっても感度、検出量が異なります。偽陽性となることもあるため、検出された場合も複数での検査をおこなうことがあります。
家庭での管理
生卵をボウル中で菜箸でかき混ぜた後、洗浄およびふき取り検査を実施した際にどの程度の量の卵が残存するかについて、以下報告があります。
洗浄前
ボウル20ppm以上、菜箸20ppm以上
水洗い後
ボウル1.6ppm、菜箸20ppm以上、スポンジ15.3ppm
洗剤洗浄後
ボウル1ppm未満、菜箸5.9ppm、スポンジ1ppm
家庭で、除去食と除去でない食事を作る場合には、スポンジで水洗いをする際のスポンジへの残留に留意したうえでの洗浄、特にすべり止めの溝のある菜箸には特に残留しやすい点を考慮の上、みぞや細かい凹凸のある器具は丹念に洗うか、微量で反応する場合は菜箸を分けて使用するなどの工夫もできると良いかと思います。
キッコーマン いつでも新鮮 えんどうまめしょうゆ 200ml
12kcaL/15ml
10323
もっくんママ
普段は、大豆のみで単に小…