Author クミタスさん
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2015.07.24
食物アレルギーの症状のある方は、食後の発疹の経験がある方もいらっしゃるかと思います。発疹とは、湿疹やじんましんが出現した状態を指します。
じんましんは、赤く盛り上がった膨疹が生じたり、ブツブツや赤みが出て、数十分から数時間以内に消失します(長い場合も48時間までにほぼ消失します)が、繰り返し連日のように出現することがあります。
日本では4週間続く場合は慢性じんましん、4週未満の場合は急性じんましんになり(国によってこの定義は異なり6週間以上で慢性じんましんとする国もあります)、痒みを伴うことが多く様々な原因物質があります。
じんましんの原因物質
食物:魚介類(サバ、マグロ、サンマ、エビ、カニなど)、肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、卵、乳製品(鶏卵、牛乳、チーズなど)、穀類・野菜(大豆、小麦、ソバなど)
食品添加物:人工色素(黄色、赤色など)、防腐剤(パラベンなど)
薬剤:抗生物質、解熱鎮痛薬、咳止めなど
植物・昆虫:イラクサ、ゴム、蜂など(触れたり刺されたりして起きる)
感染症:寄生虫、真菌(カビ類)、細菌、ウイルス
物理的刺激:機械的擦過・圧迫、寒冷、日光、温熱、振動など
運動・発汗
内臓・全身性疾患:血液疾患、膠原病、血清病など
疲労・ストレス:身体的なもの、精神的なもの
出典:日本皮膚科学会
じんましんがどの要因であっても、皮膚組織内に存在するマスト細胞からかゆみを起こすヒスタミンが分泌され、血管が拡張し血漿(けっしょう)が外に漏れ出て皮膚を盛りあげ膨疹ができ、ヒスタミンが神経を刺激してかゆみが起こる、というメカニズムは多くにおいて共通しているとされており、治療法も共通してヒスタミンを抑えるという方法が取られます。
慢性じんましんでは、IgE受容体に対するIgG自己抗体、マスト細胞に結合しているIgEに反応するIgG自己抗体を作る、自己抗体タイプが30~60%存在すると言われており、慢性蕁麻疹のある人では、甲状腺にも自己抗体を持っている人が、5人に1人の割合で存在するとの意見もあります。
急性じんましんは、食物依存性運動誘発アナフィラキシーを発症した場合にも出現することがありますが、蕁麻疹が重症の場合には、のどの粘膜が腫れ、息苦しくなることがあります。血管性浮腫では皮膚や粘膜の深部に浮腫を生じ、蕁麻疹と合併して現れることがあります。腸管粘膜に発症した場合、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢を生じ、眼瞼や口唇といった顔面に出現した場合は赤み、浮腫が口腔、のどや気道に生じ、喉が詰まった感じや息苦しさ、違和感を感じることがあります。喉が詰まった感じや息苦しさ、違和感を感じる場合は、速やかに受診するのが望ましいでしょう。
「痒疹(ようしん)」も赤みがあり痒みを伴い、じんましんに似た見た目ですが、強い痒みと丘疹が特徴です。
繰り返し搔きむしると丘疹範囲が大きくなりますが、湿疹を掻きむしっているうちに、虫刺されを掻きむしっているうちに、痒みが強くなり、痒疹となってしまっていることもあります。
糖尿病、免疫異常の状態にある悪性腫瘍など慢性的に痒みの発生源がある場合も、痒疹を起こしやすいため、出来るだけ痒みには掻かずに冷やすといった処置で、繰り返し掻かないように、初期のうちに対処できるかゆみは対処しておきたいところです。
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