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次亜塩素酸ナトリウムについて

2015.08.19

投稿者
クミタス


次亜塩素酸ナトリウムは、プールの消毒、水の消毒、塩素系漂白剤、金属産業においてはシアン化浴の解毒、冷却塔における藻類や貝類の成長防止など、主に漂白、抗菌作用目的で広く使用されており、食品では野菜や鶏卵の洗浄・殺菌にも、そして哺乳瓶洗浄剤「ミルトン」の主成分でもあります。

「ミルトン」は、液体タイプは次亜塩素酸ナトリウム 1.1 w/v%が主成分ですが、錠剤タイプはジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが主成分で、水に溶けると除菌力の強い次亜塩素酸を発生します。水溶液は時間経過で失活しますが、粉末のまま封を開けた状態だと1年ほど塩素失活しません。

次亜塩素酸ナトリウムは、塩素濃度200ppmでノロウイルスを失活化することもできます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
ミルトンで全体量 1Lを作る場合は、ミルトン溶液 20mL + 水 980mL

消毒液の作り方はこちらなどにも掲載がされています。
https://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kansen/topics/noro/noro_syodoku.htm

次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウムの特性


次亜塩素酸は、pHが高くなるにつれ、塩素ガス、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンと変わり、次亜塩素酸は次亜塩素酸ナトリウム中の次亜塩素酸イオンと塩素中の水素イオンが結合して生成されます。
次亜塩素酸は、安定化のために弱酸性に傾け抗菌力を高めており、漂白剤などに添加されている次亜塩素酸イオンの約80倍の除菌力を持ちます。次亜塩素酸イオンを含む次亜塩素酸ナトリウム水溶液はアルカリ性で、次亜塩素酸よりも抗菌力は弱いものではあります。

次亜塩素酸溶液を有機酸、無機酸と併用してもトリハロメタンは生成しませんが、アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムは有機物と混じると、トリハロメタンなどの有害物質を生します。

ですが、次亜塩素酸溶液においても、次亜塩素酸ナトリウムも、クエン酸やお酢などの酸性物質と反応すると、クロロホルムを生成します。
次亜塩素酸とクエン酸混液の混和している時間が長いほどクロロホルム量は増加しますが、カット野菜に残存したクロロホルムは水洗浄により、水道水中のトリハロメタン濃度レベルまで減少した、との報告もあります。
https://ci.nii.ac.jp/naid/110009489094

クロロホルムは、殺菌時間、pH、温度、初期次亜塩素酸ナトリウム濃度に依存して増加するとも言われており、次亜塩素酸ナトリウム溶液の温度が、5℃、15℃よりも25℃になると、塩素が残留している間は、クロロホルムの生成量が増えるとの報告もあります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shokueishi1960/33/3/33_3_267/_pdf

また、次亜塩素酸ナトリウムに水酸化ナトリウム、エタノールが混ざるとクロロホルムを生成する場合があり、セルロースを主体とする布地(キュプラ、テンセル、ヴィスコース、ベンベルグ・ナイロン、モダール、リヨセル、レーヨンなど)に次亜塩素酸ナトリウムをしみこませて 40~50℃に保って乾燥させると爆発する可能性があります。

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