大麦によるアレルギーにおいては、重症の小麦アレルギーの方において症状が誘発される可能性があり、小麦特異的IgE抗体価、小麦のアレルゲンの1つであるω-5グリアジンの特異的IgE抗体価も予測因子となり得る、との示唆もあります。
大麦の一種であるもち麦(もち性大麦)は、もち麦入りご飯での摂食機会もありますが、実際にアレルギーと考えられる症状が出現した例をお送りします。
既往に気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎、鶏卵アレルギーがある5 歳男児。7か月時に小麦アレルギーと診断され、4歳時の食物経口負荷試験ではうどん15g でアナフィラキシーを生じた。大麦特異的IgE抗体価は未測定で,大麦の除去は指導されていなかった。
給食で小麦除去のカレーライス、キウイ、野菜サラダを摂食した2時間後に運動をしたところ、持続する咳、喘鳴、全身の紅潮が出現し救急搬送された。当日食べたものは全て摂食歴があった。特異的IgE抗体価は大麦56.8、小麦>100、ω5-グリアジン4.68、グルテン>100(UA/mL)、もち麦30g をご飯150g と一緒に炊飯し、そのうち100g(もち麦量は給食で摂取した2 倍となる)で食物経口負荷試験を実施したところ、運動負荷なしでアナフィラキシーが誘発され、もち麦によるアナフィラキシーと診断された。現在はもち麦の除去を行い症状再発はない(出典・参照: 宮本学、吉原伸弥、寺師義英、高柳文貴、安藤裕輔、藤田雄治、加藤正也、中山元子、吉原重美 獨協医科大学 那須赤十字病院 浜松医科大学 もち麦入りご飯が原因でアナフィラキシーを生じた5 歳男児)。
大麦製品である押麦、七分づき押麦(胚芽部分を3割取り除いた押麦)、米粒麦(米粒の形状に似せて加工したもの)においても可食部100g中のタンパク質量に違いがありますが(参考値:押麦6.2g、七分づき押麦10.9g、米粒麦7.0g 日本食品標準成分表2015年版(七訂))、大麦製品による症状誘発性の違いがあるか、なども今後触れられればと思います。
小麦アレルギー児における大麦加工食品への反応状況例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1873
ビールによるアレルギーの例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4292
小麦にアレルギーがある方での大麦にアレルギーを示す条件可能性
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2510
ホワイトソルガムのまるちミックス粉 300g
333kcal/100g当たり
9230
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甘くないタイプで、使いや…