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水で膨らむビーズを誤飲してしまったら

2015.12.16

投稿者
クミタス

水で膨らむビーズを観賞用、植物栽培時に使用されている方もいらっしゃるかと思います。
ビーズ状の高吸水性樹脂で水を吸収すると、4倍~10倍前後に膨張しますが、誤飲すると、体内で膨張してしまうことがあります。
水で膨らむビーズは「アクアジェリーボール」、「クリスタルジェリービーズ」、「ぷよぷよボール」といった名称で販売されており、ポリアクリル酸ナトリウム等が成形されたものになります。
ポリアクリル酸ナトリウムは、おむつや生理用品、ゲル状保冷剤、洗顔剤、保湿剤などにも使用されており、食品を冷やすだけでなく食品内に増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、飲料の清澄促進剤として食品添加物での用途もあります。
吸水性が高く粘度があり食品添加物として使用する場合は、食品中の0.2%が最大許容量となっています。

水で膨らむビーズを誤飲した場合のリスク


膨張する前段階で水で膨らむビーズを誤飲した場合のリスクとしては、体内で膨張し器官が閉塞してしまうリスクがある点が挙げられますが、膨張性の高さから1個のビーズでも閉塞が起こり得ており、またエックス線検査でポリアクリル酸ナトリウム(高吸水性樹脂)が映りにくいことで、開腹手術をしてようやく原因判明し取り出せるということもあります。

誤飲した場合、商品差がある可能性はありますが、酸性の胃液ではあまり膨らまず弱アルカリ性の腸液で膨らみやすい、という性質が見られているとの報告もあります。
2015年6月の日本での2歳女児の例では、嘔吐が続き、超音波検査で十二指腸の異常が判明したが、入院4日後の開腹手術で、十二指腸に約4㎝大(元は1cm)に膨張したビーズが存在しており、胆管と、膵臓からつながる膵管の開口部であったため、肝障害と膵炎も引き起こしていました。
他に回腸穿孔の出現、耳の中で膨張し手術で取り出した例などがあり、鼻の中でも膨張する可能性はあります。

2012年に米国消費者製品安全委員会(CPSC)では、玩具を誤飲し重篤な危害が発生したとして、4製品が自主回収(カナダ含む)されています。

もし水で膨らむビーズが体内で破けてポリアクリル酸ナトリウムが流れ出た場合、消化管で吸収されないため低毒性との意見がありますが、植物栽培用の水で膨らむビーズには他の含有物が含まれているものもあり、含有物によっては健康被害の可能性はあるかもしれません。

水で膨らむビーズを誤飲した場合の対策


ポリアクリル酸ナトリウムを誤飲してしまった場合の対策として、公益財団法人 日本中毒情報センターでは、牛乳やイオン飲料を飲ませることを挙げています。水で膨らむビーズがお子さんの手に取れる場所にあり誤飲の可能性がある場合は、対策が取れると良いかもしれません。
まずは、乳幼児、高齢者の方が誤飲しないように触れられない場所に保管することからではありますが、もし飲む瞬間を目にしたら、吐き出せるようにするのも予防策になります。実際に誤飲し体調不良がある場合、耳や鼻に入って取り出せない場合などは受診するのが望ましいでしょう。

参考:公益財団法人 日本中毒情報センター 水で膨らむビーズ

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