いくらはサケの卵で、魚卵にアレルギーのある方の中で、アレルゲンとなる方が多く、小児においてもアレルギー症状出現頻度が高い対象でもあります。
いくらのアレルゲン
いくらによるアレルギー症状としては、摂取直後に口腔掻痒感、発疹、嘔吐、胸部圧迫感、嚥下困難なども挙げられ、魚卵アレルギー患者さんの血清中には、さまざまな魚卵構成タンパク質と反応する特異IgEが存在すると考えられていますが、共通して反応する可能性があるタンパク質はβ'-コンポーネントであり、ほかにリポビテリン、ホスビチンもアレルゲンとなるタンパク質であると考えられています。
β'-コンポーネントは、肝臓で合成されたタンパク質であるビデロジェニンが卵母細胞で分解されて生じるタンパク質の一種になります。
いくらのアレルゲンとの交差反応性
あくまで報告例ですが、イトウ、ニジマス、アメマス、オショロコマ、スケトウダラ、アサバカレイ、ババカレイ、ホッケ、シシャモ、カペリンの卵形成に関わるタンパク質には、シロザケ卵のβ'-コンポーネント抗体と反応するタンパク質が含まれている可能性があり、アレルギー患者さんの血清中の特異IgEは、サケ科魚類(鮭、マス、イトウ)卵で100%、スケトウダラ卵38%、アサバカレイ卵69%、ババカレイ卵77%、ホッケ卵85%、シシャモ卵38%、カペリン卵では23%において反応が見られたとの報告があります。
他に、イクラにアレルギー症状のある方において、マスの子、タラ目のメルルーサ卵にアレルギー反応を示した例が報告されています。
また、サケ科卵間でβ'-コンポーネントを介したアレルゲン交差性が見いだされ、イクラとタラコ間でも見出された、との報告もあります。
魚卵と魚肉のアレルギー反応について
魚卵のアレルゲンと魚肉のアレルゲンとは別のものと考えられており、また魚卵のアレルゲンであるβ'-コンポーネントと魚肉のアレルゲン間において交差反応性はないとも考えられています。ただ、β'-コンポーネントの前駆物質であるビテロジェニンは肝臓で合成され、血液経由で魚の卵黄に蓄積されることから、魚の卵黄タンパク質に抗体を持つ方において、魚肉を摂取した際、血中ビテロジェニンを介したアレルギー症状出現の可能性を否定できない可能性もある、との意見もあります。
ただし、いくらにアレルギーのある方において他の魚卵にアレルギー反応を示すかについても、上記については傾向例と捉え必ずしも他の魚卵にアレルギー反応があるとは限らず、実際に少量から食べてみて反応があるかを重視されるのが良いかと思います。
魚卵のアレルギーついては、また研究がさらに進展していくなかで、新たな情報を今後もご紹介していきたいと思います。
出典:魚卵アレルギーにおけるアレルゲンの解明と魚種間の免疫学的交差性の調査
エピトープ情報を活用した魚卵アレルゲン検知系の開発
魚介のアレルギー ファディア株式会社 発行
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