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成人のアナフィラキシーにおける原因物質 成人のアレルギー②

2016.07.16

投稿者
クミタス

成人における食物アレルギー、主要なアレルゲンについては、以下に掲載しましたが、
成人の食物アレルギー、アレルゲン、成人発症喘息について①
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1277

今回は、成人のアナフィラキシーにおける原因物質についてお送りします。

アナフィラキシーの原因


成人のアナフィラキシーにおける原因物質としては、報告されている文献を確認すると、約半数が食物であり、食物以外においてはアニサキス、ハチなどの刺虫によるアナフィラキシーなどが挙げられています。

確認可能な範囲での成人のアナフィラキシーにおける原因物質の傾向
・食物 約53%
・薬物 約15%
・アニサキス 約7.5%
・ハチなどの刺虫 約3.5%
・その他 約2%
・不明 約19%

食物の内訳としては小麦が最も多く、えび、かになどの甲殻類、果物、そば、魚も原因物質となる方が多く、これらは食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こしやすい食品でもあります。
大豆においては、花粉との関連による症状誘発が考えられます。

食物の内訳
・小麦 約30%(そのうち運動誘発アナフィラキシーと思われるのは約60%)
・甲殻類 約12%
・果物 約9%
・ソバ 約5%
・貝類 約5%
・赤身魚 約5%
・野菜 約3.3%
・大豆 約2.6%
・魚卵 約2%
・その他 約7.3%

症状


皮膚・粘膜症状が約9割超の方でおこっており、呼吸器症状は約6割の方で、循環器・ショック症状は約4割超、消化器症状は約4割の方に見られていることが伺えます(1人の方で複数症状があり)。

成人においては、自分でアナフィラキシーを疑ってのアレルギー診療および救急対応が可能な施設への受診は約35%であり、約65%の方が他院からの紹介との報告があります。

時間的制約もあり、まずは近医受診をすることもあるかと思いますが、この程度であれば救急受診をするほどでないと判断した、いつもと少し違う症状である気はしたがどうするのが適切かわからなかった、今まで違和感程度だったがいきなり強い症状が出現して戸惑ったなど様々な背景はあるかと思いますが、日頃から行動範囲においてアレルギー診療の専門病院がどこにあるか、把握しておけると良いかと思います。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/765

出展・参考:
エピペンを処方した成人アナフィラキシー症例 昭和大学呼吸器アレルギー内科
当院の成人アナフィラキシー診療事情 横浜市立みなと赤十字病院 アレルギーセンター、救命救急センター

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