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カシューナッツ―柑橘類種子アレルギー

2024.12.05

投稿者
クミタス

カシューナッツ関連ペクチンアレルギーについては、以下にも掲載しておりますが、
ペクチンによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2165 
ウルシ科植物の種子であるカシューナッツ、ピスタチオにアレルギー症状が出現する方においては、柑橘類の種子やペクチンに対してアレルギー反応を示す可能性があります。
 
12歳女子。幼児期からカシューナッツアレルギーがあり、柑橘類由来ペクチンを含むグミの摂取後に咽頭痛を、柚子の種や果皮を含むゼリーの摂取後に咽頭痛、嘔気、重度の腹痛を認めた。皮膚プリックテストは柚子の種子と内果皮、レモンの種子、柑橘類/リンゴ由来ペクチン粉末が陽性で、好塩基球活性化試験は柑橘類/リンゴ由来ペクチン粉末が陽性だった。食物経口負荷試験では、柚子を丸ごと含むゼリー、レモンの種子で重度の腹痛、嘔吐を認め、柑橘類由来ペクチン粉末で軽度の咽頭痛を認めた。
当初はカシューナッツ関連ペクチンアレルギーが疑われたが、精査により柑橘類種子アレルギーと診断され、新規アレルゲンのシトリンの関与が疑われた。ペクチンアレルギーが疑われる症例には,柑橘類の種子についての精査も必要である(出典・参照:板橋佳恵, 牧田英士, 黒田早恵, 菅原大輔, 林佳菜恵, 大久保瑞稀, 平久保由香, 野中航仁, 山根大明 新規アレルゲンであるシトリンの関与が疑われたカシューナッツ―柑橘類種子アレルギーの1例)。
 
オレンジの種皮、オレンジの種子の胚乳、レモンの種子、グレープフルーツの種子、柑橘類のペクチン、リンゴのペクチン、グレープフルーツのペクチンからタンパク質を抽出。柑橘類の種子とペクチンの原因アレルゲンを特定するために、IgE結合能を測定した結果、原因アレルゲンとしてシトリンの存在が示唆されており、シトリンは11Sグロブリンであり、おなじく11Sグロブリンに該当するカシューナッツのアレルゲンAna o 2、ピスタチオのアレルゲンPis v 2と相同性がある旨の報告もなされています(出典・参照:Citrin: a novel food allergen in citrus seeds and citrus-derived pectin that shows cross-reactivity with cashew and pistachio)。
 
柑橘類の種子に含まれるシトリン(citrin)が原因となって、アレルギー症状が出現する可能性があることに、ご留意いただければと思います。
 カシューナッツアレルギーについて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1839 
ピスタチオによるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2949 
果物の種子とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4688 

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