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ビタミンDの摂取と喘息発作予防

2016.09.28

投稿者
クミタス


ビタミンDは骨の成長や健康維持に有用なはたらきを促すと考えられており、過度の摂取の必要はないものの、摂取が望ましい栄養素の1つでもあります。

ビタミンDの摂取が喘息発作、喘息の症状、肺機能に効果があるか、についての臨床試験、研究は今までにもなされており、
6~15歳の小児に1日1,200 IU のビタミンDサプリメントを4 ヵ月間投与した167人のうち過去に喘息の診断を受けていた小児では、プラセボ群に比べてビタミンD サプリメント投与群で喘息発作の相対リスクが93%低下した、との研究報告もあります。
Vitamin D deficiency in 2010: Health benefits of vitamin D and sunlight: a D-bate

成人の軽度~中等度の喘息患者さんにおいて、喘息の標準治療にビタミン D補給を加えることにより重度の喘息発作のリスクを副作用なしに有意に下げられ得る可能性について、2016年9月6日に発表の研究にて示唆されています。
Vitamin D for the management of asthma
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD011511.pub2/full

・ビタミンDの経口補給により入院や救急での加療が必要な重度の喘息発作リスクが約6%から約3%に減少
・ビタミンDの経口補給によりステロイド剤を必要とする喘息発作の発生率が減少
・試験を実施した用量の範囲内では副作用増加はなかった
・一方、肺機能や日常の喘息症状についての改善は見られなかった

成人の軽度~中等度の喘息患者さんにおける喘息発作リスク低減にビタミンDの経口摂取が有効なのでは、と伺える内容であり、軽度~中等度の喘息患者さんにおいてビタミンD摂取が有用である可能性がありますが、どんな方においても一定の有効性を示すには、ビタミンDの血中濃度がどの程度以上であることが重要になるのか、また喘息発作以外の症状や呼吸器の状態への寄与について等においても今後より解析される可能性もあります。

ビタミンDは食事から摂取でき、また日光照射でも体内で生成されます。
乳幼児に必要なビタミンD
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/434

ビタミンDが喘息発作予防につながり得るか、どの程度の影響があるか、否定的な考察も含め今後掲載していきたいと思います。

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