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麦芽糖(マルト―ス)、麦芽水飴と大麦

2016.12.13

投稿者
クミタス

麦芽の名称の付いた食品に、麦芽糖や麦芽水飴がありますが、大麦、小麦の使用有無、残留において、どのような状況なのでしょうか。

■麦芽糖(マルト―ス)
麦芽糖は二糖類になり、多くは工業的にはでん粉と工業的に抽出した酵素を用いて製造されます。
麦芽糖製造においては、大麦のβ‐アミラーゼなどの酵素、製品によっては小麦の酵素を使用する場合があります。β‐アミラーゼは抗原の1つとも見られていますが、麦芽糖に残留していても微量であることが多く、麦芽糖を使用した加工食品の抗原性は低いと見られています(Safety evaluation of the food enzyme β-amylase obtained from barley (Hordeum vulgare)。
一方、マルト―ス含有の点滴使用において、アナフィラキシーをおこした例の報告もあり、原因として夾雑物(本来含有されない物質で、混じり込んだ別の物質)が原因なのではないかとの示唆もなされていますが、「グルコース重合体であるデキストラン(dextran)に対するアレルギーや抗体の存在報告や、マルトースに分解されるでん粉由来のグルコースポリマーであるCAPD用イコデキストリンにアレルギーの報告があることなどから、マルトースを抗原(の一部)として認識する抗体が存在し、即時型過敏反応を惹起する可能性はあると考えられる」との示唆もあります。
マルト―ス含有輸液によるアナフィラキシーの例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2860

■麦芽水飴
麦芽水飴は褐色であることが多く、でん粉(甘藷が主)、大麦を使用し製造されます。

■無色の水あめ
酵素糖化水飴とも呼ばれ、無色の水あめにおいては、主にとうもろこしでん粉と、工業的に抽出した酵素を使用しており、場合により小麦、大麦由来の酵素を使用していても、残存する小麦、大麦タンパク質は検出限界以下であることが多いものになります。

麦芽糖、無色の水あめにおいて、小麦を使用していてアレルギー表示が必要になる程度(10ppm以上)の含有状態である場合は、基本的にはアレルギー表示がなされますが、ごく微量に反応する方においては、商品単位で確認されるのが良いでしょう。また、製造方法によっても異なりますが、基本的には麦芽水飴は大麦が含まれるものとして認識頂くのが良いでしょう。

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