Author クミタスさん
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2017.04.04
食器、容器に使用されることがある熱可逆性プラスチックの1つポリカーボネートにはビスフェノールAが残留し溶出する恐れがあるため、日本ではポリカーボネート製容器等について、ビスフェノールAの溶出量を2.5ppm以下とする溶出試験規格、材料中の含有量は500ppm以下(さらに低い250ppmの基準を設けている企業・団体もあります)とする材質試験規格が食品衛生法にて設けられています。
成人においての人体への影響程度については様々な見解がありますが、体内での代謝能力が成人よりも低い乳幼児においての懸念や熱湯を使用するとポリカーボネートからビスフェノールAが溶出しやすくなること等から、欧州、アメリカ、カナダでは哺乳ボトルでのポリカーボネート使用を規制・制限しています。さて、その代わりに、使用されるようになった材質についての溶出程度や安全性についてはどうなのでしょうか?
ベルギーでの研究では、ポリカーボネート以外の材質の哺乳ボトルから溶出した物質について調査をおこない、溶出した物質が混合した際のリスクについても評価される必要性があることについても示唆しています(Evaluation of the potential health risks of substances migrating from polycarbonate replacement baby bottles.)。
制限対象物質は国によっても異なる場合もあり、また予防的措置から制限解除される場合もあります。BPA(ビスフェノールA)フリー製品も見られていますが、ビスフェノールAの代替物として使用されることのあるビスフェノールSの安全性への懸念も今までに挙げられており、影響懸念がある物質のさらなる有害性評価、そして優先順位付けも必要とされるところでもあります。
ビスフェノールAは、職業上などで暴露により皮膚症状、皮膚炎例が出現した例は今までにも報告されており、また、気道過敏性、喘息との関連可能性についての報告も幾つかなされています。
ビスフェノールA以外も含めた溶出物質と、ヒトにおいての炎症誘発、アレルギー性疾患との関連可能性については、またお送りしたいと思います。
出典・参考:Prenatal and postnatal bisphenol A exposure and asthma development among inner-city children.
ビスフェノールA暴露によるアレルギー性気道炎症の増悪とリンパ組織における変化
Bisphenol A: new immune system evidence useful but limited
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/161013
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