Author クミタスさん
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2017.05.03
全世界的に薬剤耐性問題に直面していますが、多剤耐性菌など複数の抗生物質で有効でなく本来治療可能な疾患の治癒へ至らなくなるリスクは避けるべきところであります。
日本では特に肺炎球菌ペニシリン、黄色ブドウ球菌メチシリン、緑膿菌カルバペネム、大腸菌フルオロキノロン、大腸菌第3世代セファロスポリンへの耐性率などは世界各国の中でも低いわけではなく、また世界的に注目されているものの1つに多剤耐性アシネトバクターも挙げられます。
ヒトにおいて、抗生物質(抗菌薬)は中等症以上の急性副鼻腔炎、細菌性の急性喉頭炎、肺炎、溶連菌感染症、中耳炎、マイコプラズマ感染症、膀胱炎、尿路感染症など、細菌による感染症において使用されておりますが、今までにもウイルスが原因の疾患など抗生物質(抗菌薬)が適さない疾患にも使用されることはよくありました。
抗生物質(抗菌薬)を使用しなくても、細菌は一定の頻度で染色体DNAの塩基配列の変異を起こすと見られていますが、抵抗性や耐性を付与する遺伝子に変異を獲得した菌株が生き残ることで耐性菌が増えるようになります。
また本来抗生物質(抗菌薬)が有効でない疾患、症状に対して抗生物質(抗菌薬)を使用すると、もともと口腔内、皮膚、腸内などに存在する常在菌までも減少させ、特定の菌が生き残りやすい環境を作り出すことにも繋がります。
まず対策としてヒトの医薬品における適正使用が挙げられ、適正期間内での使用、また家庭内で残っていた抗生物質を自己判断で使用したりすることのないようにすることも求められます。
動物においても飼料添加物や医薬品に抗生物質は使用されており、ヒトにおいて摂食を通して体内に取り込むことでのリスク可能性も考慮にした製剤の評価もなされています。動向についてはまた改めてお送りします。
抗微生物薬適正使用の手引き 第一版(案)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000156500.pdf
薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン 2016-2020
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000120769.pdf
家畜に使用する抗菌性物質について
https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/yakuzi/koukinzai.html
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