豚肉への反応においては、牛肉にも反応を示す場合、加熱肉へは症状出現しない場合もあり、また豚肉摂取、アスピリン、運動負荷の組み合わせで症状出現する例の報告もありますが、豚肉に反応がある場合、主に以下原因等が考えられています。
糖鎖α-galへの反応
牛肉にアレルギー反応がある場合、糖鎖であるα-galが原因の1つとなることがわかっており、ヒトがマダニに咬傷することでマダニの唾液腺に含まれるα-galがヒトの体内に取り込まれ抗体ができ、牛肉を摂食した際に牛肉中のα-galにアレルギー反応を示すことがあります。
牛肉以外に豚肉、羊肉、また牛乳などヒトを除く哺乳類のタンパク質上にα-galは含まれ、中のオリゴ糖がIgE結合能を持つことにより、アレルギー症状が出現すると考えられ、豚肉にアレルギー症状がある場合の要因の1つとなっています。α-galによる交差反応においては、カレイ魚卵への反応、がん治療に用いられる分子標的薬セツキシマブ(アービタックス)投与による即時反応の一部においても見られており、α-galが原因の豚肉アレルギーの場合、豚肉、牛肉の特異的IgE陽性となり、牛肉のα-galへの感作、アレルギー症状出現を伴っている場合があります。
マダニに咬傷したことがあることを自覚していない方でも、マダニが寄生する機会のあるイヌなどを飼っている方での発症が見られる傾向にあるとの示唆もあります。食物アレルギーの観点でもマダニ対策をおこなえると良いかもしれません。
赤肉アレルギーとマダニ咬傷
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1258
Pork-cat syndrome
また、豚肉においては、豚の血清アルブミン(Sus s)が抗原となり、Sus sと構造の似たネコの血清アルブミン(Fel d 2)に鼻腔・口腔経由で感作した後に、交差反応により豚肉摂食時にアレルギー症状出現がみられる、“Pork-cat syndrome” があります。ネコの血清アルブミン以外にイヌ、ハムスターの血清アルブミンが原因となる可能性もあります。
Pork-cat syndromeは、摂食して30〜45分後に症状が出現する傾向があり、糖鎖α-galが原因の赤肉アレルギーよりも症状出現までの時間が早く、また豚肉特異的IgE、ネコ上皮やフケ特異的IgEに陽性反応を示す傾向があります。
アルブミンは熱に不安定であり、豚の血清アルブミン(Sus s)が抗原となる場合は、非加熱ハム等を摂食した際に、口腔を中心とした症状が出現する可能性がありますが、十分に加熱した豚肉にはアレルギー症状を示さない可能性があります。
出典・参考:獣肉による遅発性アナフィラキシーの2例
Mammalian meat-induced anaphylaxisの1例 : Pork-Cat syndromeとの感作パターンの違い
高齢発症の豚肉、牛肉アレルギーの一例
牛肉アレルギーの発症原因と交叉反応性に関する検討
アスピリンと運動負荷によって誘発された豚肉によるアナフィラキシーの1例
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28kcal/1皿分(ルウ7.5g)あたり
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