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東京都内の学校でのアレルギー対応状況(2017.6.9更新)

2017.06.01

投稿者
クミタス

東京都内の学校でのアレルギー対応状況について、「平成28年度 東京都における学校給食の実態」からお送りします。

■アレルギー対応食の対応状況

小学校(区市町村立)
完全給食実施校1,276校のうち、アレルギー対応食の必要のある児のいない11校を除く1,265校で食物アレルギー対応を実施。
食物アレルギー対応の対象児は18,572人。

中学校(区市町村立)
完全給食実施校602校のうち、アレルギー対応食の必要のある児のいない校は18校、対応していない校は73校で対応している校は511校。
食物アレルギー対応の対象児は4,574人。
対応していない73校の内訳として区部は2校、市部は71校。


■原因食物

小学校(区市町村立)
食物アレルギー対応の対象児18,572人。
アレルゲン:鶏卵 5,369人、落花生 4,496人、ナッツ類 4,158人、牛乳・乳製品 3,643人、えび・かに 2,565人、そば 1,488人、小麦(雑穀含む)579人

中学校(区市町村立)
食物アレルギー対応の対象児は4,574人。
アレルゲン:落花生 1,037人、ナッツ類 1,013人、えび・かに 977人、鶏卵 901人、牛乳・乳製品 600人、そば 493人、小麦(雑穀含む)104人


■ヒヤリハット対策

○校内体制

校内のルールや児童生徒の状況について、教職員間の情報共有を確実に実施し、ヒヤリハットを防ぐ
・アレルギー対応食に付ける名札は進級後にも対応
・その月のアレルギー対応表が掲示されるようにする
・元資料に記載された補足コメントなどが複製紙にも記載されるようにする
・献立の確認、調理・配食・配膳時の確認は複数人でおこなう
・(急きょ)担任不在となる場合の対応食配膳フローを決めておく
・管理職不在の場合でも誰でもリーダーとなって指示が出せるように役割カード(仕事内容)を作成
・必要な書類等(学校生活管理指導表、記録用紙、調理室手配表、筆記用具等)をまとめて一つの袋に入れて保管
・アナフィラキシー出現時には全教職員がエピペン、AEDを速やかに用意できるようにしておく
・食物アレルギーの症状のない児への啓発


○給食

配膳までにおいて思い込みではなく、確認には念を入れられるようにしてヒヤリハットを防ぐ
・準備時に対応食と普通食とを混同しないようにする
・除去食が複数ある場合に誰の除去食か間違えないようにする
・今日は対応食がある日なのか、ない日なのかを明確にする
・献立名、食品名から含有食物の見落としのないように、また見慣れない献立については特に使用食材の確認ができるようにする
(例:魚肉練り製品に豆腐が使用されるものもある、魚のすり身に卵白が使用されるものもある、パン粉で小麦粉に加え大豆粉が使用されているものもある、じゃこ等の小魚、海藻に小エビが混入していることがある、
マーラーカオ(卵使用)、ポンデケージョ(卵、乳使用))
・アレルギー対応献立表の誤記入、記載漏れ、調理手配表にクラスの誤記入がないか再度確認する
(例:献立表には「ヨーグルト」と記載されていたが、キウイフルーツ入りであったことまで記載しておらずキウイフルーツアレルギーの児に配膳されてしまった)
・ドレッシング等の調味料でも献立変更となった場合は原材料を確認する
・納品物が異なっている場合に備え、原材料を確認できるようにする
・対応食用に事前に取り分ける必要がある際に、取り分け忘れのないようにする
・除去食に混入しないようにする
・聞き間違いによる誤使用を防ぐために原材料も確認できるようにする
(例:一味と七味を聞き間違えてごまが入っている七味唐辛子を使ってしまった)
・アレルギー対応食用の調理器具(鍋、ボール等)は普通食のものと色・材質等が異なるものを使用する
・配膳時に氏名確認(○○さんの△△対応食です、と声に出し氏名も確認する)
・クラス内で対応食の量を調整する際に普通食用の調理器具を使用しないようにする
・ルールで決めた方法での注意書きを見落とさないようにする
・イレギュラーな運用時には再度確認する
(例:普通食の食缶に入れていなかったものをアレルギー対応食とみなして配膳してしまった)
・変更事項がある場合は関係者全員に対応策も共有できるようにする
・1つの皿に複数の料理を盛り合わせる場合にも、ラップをかけどれが対応食か見分けられるようにする


給食中に意図せぬ接触による症状出現
・他の児童が食べていたすりゴマの粒子を吸引してアレルギー症状が出現、牛乳が飛んで顔にかかり赤く腫れてかゆみが出現、牛乳をふき取った雑巾に降れた手で顔に触れたことで蕁麻疹が出現する場合がありますので、原因食物には触れないように意識できるようにしましょう。

家庭での対応
医師の診断を受けた上での必要最低限の除去食対応、初めて食べるのは給食でではなく自宅でおこなえるようにし、家庭で準備する食品は事前に家庭で試食し様子を見ておけるようにしましょう。
また除去食物や除去解除食物に更新がある場合は、書類の提出、情報共有確認をおこないます。


○給食以外

校外学習、宿泊行事での対応
食事の際の席の間違い、弁当の配布間違いがないか等も含め食事、食材の確認、内服薬、エピペンの持参、緊急連絡先の周知

調理実習、授業で
調理器具は分けて対応。給食中に他の児童が食べていたすりゴマの粒子を吸引したことが影響した可能性のあるアレルギー症状出現、牛乳が飛んで顔にかかり赤く腫れてかゆみが出現、牛乳をふき取った雑巾を触った手で顔に触れたことで蕁麻疹が出現など原因食物を経口摂取する以外に、飛び散って皮膚、粘膜に付着したり、小麦粘土など食物由来成分を接触、調理実習や理科の実験時等に食物成分を吸引する機会がある可能性もあります。受診時に望ましい対応範囲も確認しながら、学校と相談、確認のうえ進めていきましょう。


平成28年度東京都における学校給食の実態
https://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/gakumu/kenkou/shoku/28kyuusyokujittai.pdf
学校における食物アレルギー対応 ヒヤリハット・ヒント事例集
https://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/p_gakko/allergy_qa/allergy_qa.pdf

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