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離乳食の早期開始とアレルギー発症予防について

2017.06.07

投稿者
クミタス

食物アレルギー発症リスクが高いと考えられるアトピー性皮膚炎を既に発症した児においても、卵の摂取を遅らせることなく6か月~といった時期から、アトピー性皮膚炎の治療を積極的におこないながら、しっかり加熱したゆで全卵の摂取を継続することで、卵アレルギーの発症を低減させる可能性の示唆がなされていますが、
卵アレルギー発症リスクを低減し得る可能性について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1926
しっかり加熱した卵でない場合、湿疹症状がなくプロアクティブな治療介入を伴わない場合には、発症予防となるのでしょうか?

1種以上のエアロアレルゲンへの感作があり、アレルギー疾患の既往があると診断された母から出生した、湿疹症状のない4~6か月齢の乳児(出生体重2000g以上、在胎週数35週間以上の乳児(当初は2500~4500gの出生体重の在胎週数37週の乳児が対象))にて無作為に割付け、全員において鶏卵の食事を10か月時まで摂らずに、407人は低温殺菌された生の全卵粉を摂取、413人は米粉を10か月間摂取し、生後12か月時点での生の全卵摂取、卵特異的IgE反応状況に違いがあるかを比較したところ、
生後12ヶ月時点でのIgE依存性卵アレルギー発症率に有意差は認められず、生後12ヵ月における卵特異的IgE抗体価は、米粉摂取群より卵摂取群のほうが高い
との結果を示しており、
アレルギー疾患の家族歴があり、湿疹症状のない乳児において生後4~6か月から生の全卵粉末を摂取開始しても、摂取しない児と比較して生後12か月時の卵特異的IgE抗体価はむしろ高く、卵アレルギーの発症状況に変わりはないことが伺える内容となっています。
早期からの摂取によるアレルギー発症予防の検討のうえでは、家族歴、遺伝的素因、皮膚の状態、摂取する食物の抗原性等による影響可能性なども必要に応じ考慮されるところかもしれません。

出典・参考:Randomized controlled trial of early regular egg intake to prevent egg allergy.

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