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酢酸亜鉛を起因とする胃粘膜傷害に関して

2025.02.12

投稿者
クミタス

味覚異常のある方において酢酸亜鉛を服用されることがありますが、酢酸亜鉛を起因とした胃粘膜傷害を生じることがあります。

・ヘリコバクター・ピロリ未感染胃粘膜の患者で、既往に逆流性食道炎がありPPI(プロトンポンプ阻害薬)を継続内服中であった。味覚異常を契機に酢酸亜鉛50mgの服用が開始された.5か月後には胃体上部後壁大彎を中心に、白苔を伴う発赤びらんを散在性に認めた。最終的に酢酸亜鉛起因性胃粘膜傷害が強く疑われた。
・ヘリコバクター・ピロリ未感染胃粘膜の患者で、逆流性食道炎のためボノプラザン内服中であった。味覚障害に対して酢酸亜鉛100mgが投与された。9か月後の上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)にて胃体部や胃穹窿部に白苔を伴うびらんと周囲の発赤粘膜、瘢痕所見を多発性に認めた。17か月後には潰瘍性病変となり、明らかに増悪した。酢酸亜鉛起因性胃粘膜傷害が疑われ25mgに減量したところ、潰瘍は閉鎖し発赤瘢痕に改善した。
 
酢酸亜鉛起因性胃粘膜傷害においては、同薬剤の内服の中止や減量により、胃粘膜傷害の改善も見られています。

出典・参照:小澤俊文, 林田興太郎, 三浦恭資, 白井宏和, 原一夫 総合犬山中央病院消化器内科,病理診断科 酢酸亜鉛起因性胃粘膜傷害と考えられた2例
 

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