ペクチンは、温州ミカン、ユズ、文旦、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類の果皮、パルプ、リンゴ、柿、梨、杏、いちじく、マンゴー、パパイア、ぶどうなどの果実類、サトウダイコン、キャベツ、オクラ、ヒマワリなど、またクルミ、落花生にも含まれる食物繊維になります。
HMペクチン、LMペクチンがあり、HMペクチンはタンパク質と結合しタンパクの凝集を防止したり、グルテンを補強、安定化させる効果があり、LMペクチンはカルシウムと反応してゲルを形成する作用等があり、フルーチェにも活用されているものになります。酸性乳・酸性豆乳飲料の安定剤としても使用されるHMペクチン、ジャム、ゼリー、フルーツソースに使用される頻度の多いLMペクチンですが、ペクチンによるアレルギー症状出現、アナフィラキシーに至る例も報告されています。
症状の特徴
ペクチンによるアレルギー症状としては、
・摂食してアレルギー症状出現、アナフィラキシーに至る
・(職業上)ペクチン粉末を吸入し喘息症状が出現
が挙げられ、摂食してアレルギー症状が出現する例では、小児、成人におけるアナフィラキシーのケースが見られています。
7歳女児の例
5か月前にカシューナッツによりアナフィラキシーに至り、カシューナッツを含まない給食を摂食して帰宅後に犬吠様咳嗽、全身蕁麻疹が出現。特異的IgEはカシューナッツでクラス6、オレンジ クラス3、プリックテストでは温州ミカンでは陰性であったが、HMペクチンでは陽性で好塩基球耐性化試験でも高い活性化率を示した。
12歳女児の例(7歳時~症状出現)
4歳時、6歳時にカシューナッツによりアナフィラキシーに至り、7歳時にグレープフルーツ入りドーナツとストロベリーヨーグルトにそれぞれアナフィラキシーを発症、その後も饅頭、プリンにアレルギー症状が出現していたが、その後ペクチンを疑いプリックテストをおこなったところリンゴ由来ペクチンは陰性、オレンジ由来ペクチンは陽性、経口負荷試験でアナフィラキシーが誘発され、ペクチンによるアレルギーと診断された。
37歳男性の例
14歳ごろからメロン、スイカによる口腔アレルギー症候群、22歳からブタクサ、イネ科植物にアレルギー性鼻炎、34歳からカシューナッツへの即時型アレルギーがある37歳男性にて、34歳時にきんかん湯を摂食した20分後に口腔内違和感を自覚、咳と呼吸困難を伴い、近医にて内服薬が処方され、3時間後より手関節部に掻痒性皮疹が出現、6時間後に全身に拡大したが翌朝には消失し、特異的IgEはオレンジでクラス2、グレープフルーツ クラス2、即時型皮膚テストできんかん湯、きんかん、オレンジに陽性できんかん、オレンジによる即時型アレルギーと診断され、柑橘類、その加工食品の摂取禁となったが、36歳時にヨーグルト飲料を摂食した30分後に咽頭の違和感、咳、全身の掻痒を自覚、抗アレルギー剤を内服したが1時間後に鼻閉、しゃがれ声、呼吸困難、顔面膨脹、意識混濁、即時型皮膚テストではヨーグルト飲料と含まれる柑橘類由来のペクチンに陽性で、ペクチンによる即時型アレルギーと診断された。
カシューナッツとの関連性
ペクチンが抗原である場合、柑橘類、果物、野菜に含まれるペクチン以外に、食品添加物として使用されるペクチンにも留意する必要がありますが、様々な食品にアレルギー症状が出現している場合、食品添加物として使用されるペクチンが抗原となっている可能性もあります。
いままでの症例では、ペクチンにアレルギー症状が出現する方において、それまでにカシューナッツへのアレルギー症状の既往がある例が見られています。またカシューナッツ以外にピスタチオについても関連可能性が挙げられていますが、ペクチンとカシューナッツ間の交差反応性等、今後また新たにわかることがあればお送りしていきたいと思います。
出典・参考:ペクチンによるアナフィラキシーが疑われた一例
繰り返すアナフィラキシーの後、ペクチンアレルギーと診断された一例
ヨーグルト飲料中の柑橘類由来のペクチンによるアナフィラキシーショックの1例
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