化学物質が皮膚、粘膜に接触して、その物質固有の化学反応によって引き起こされる急性組織反応を化学熱傷と呼びますが、化学熱傷の原因となる物質としては以下などが挙げられています。
・酸(硫酸、硝酸、塩酸、フッ化水素酸, 酢酸、燐酸、蓚酸)
・アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、四硫化石灰/五硫化石灰、アンモニア)
・腐蝕性芳香族(フェノール(石炭酸)、クレゾール、フェニルヒドロキシルアミン、ピクリン酸、無水フタル酸、フェニルヒドラジン)
・脂肪族化合物(臭化メチル、ホルムアルデヒド、イソシアネート、酸化エチレン、エチレンイミン、三塩化酢酸、塩化メチル)
・芳香族炭化水素(トルエン)
・脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の混合物(石油関連製品: 灯油、ガソリン、ドライクリニーング溶剤、ライターオイル、石油ベンジン)
・金属・金属化合物(6価クロム(クロム酸・重クロム酸およびそれらの塩)、ナトリウム、マグネシウム、酸化カルシウム、塩化亜鉛、ベリリウム塩、四塩化チタニウム、炭酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、水銀およびその化合物、バリウム塩、塩化カルシウム)
・非金属・非金属化合物(燐、燐化合物、硫化水素、塩化硫黄、フッ素化合物、過塩素酸、臭素、四塩化炭素)
・びらん性毒ガス(マスタードガス(イペリット)、ルイサイト、ホスゲンオキシム)
パラコート(複素環化合物)、ニンニク (アミノ酸由来のアリシン)など
今回はパラコート含有除草剤による角膜化学外傷のケースについて掲載します。
71歳女性。希釈前の除草剤のボトルを地面に落とした際、内容液が跳ねて左眼に入った。すぐに水道水で洗浄し、同日近医眼科を受診した。はじめ軽度の点状表層角膜症がみられるのみであったが、徐々に増悪したため受傷後8日に金沢大学附属病院眼科紹介となった。左眼の視力は手動弁で、多量の偽膜様物質、結膜充血がみられた。偽膜様物質を除去したところ全角膜上皮欠損であった。酸、アルカリ、パラコートなどによる眼外傷の可能性を考慮し,抗菌薬・ステロイド軟膏に加え、2%レバミピド点眼、アスコルビン酸内服による治療を行った。受傷後9日にパラコート含有除草剤(プリグロックスⓇL)であったと判明。受傷後11日に角膜の一部に上皮化がみられはじめ、受傷後16日には完全に上皮化し、受傷後23日には左視力(0.3)に改善した。パラコートの毒性には細胞内での酸化ストレスが大きく関わっており、受傷から1週間程度かけて所見の増悪がみられ、20~40日程度で角膜上皮化が得られるといった特徴的な経過をたどった(出典・参照:中尾啓隆, 横川英明, 田川考作, 小林顕 金沢大学眼科学教室 市立砺波総合病院眼科(富山県) 小矢部たがわ眼科(富山県) パラコート含有除草剤による角膜化学外傷の1例)。
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