Author クミタスさん
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2017.09.22
初回投与時に急性過敏反応を引き起こす可能性のある物質があり、ポリオキシエチレンヒマシ油はその1つで、ポリオキシエチレンヒマシ油を溶解補助剤に使用するタキソールといった薬剤による急性過敏反応は以前から報告例があり、薬剤により予防のために抗アレルギー作用のある前投薬がなされます。
急性過敏反応においては蕁麻疹、顔面紅潮、皮膚紅斑、血管性浮腫、胸痛、頻脈、呼吸困難、気道攣縮、血圧低下などの出現が見られています。
また、リツキサン、ハーセプチンなどの薬剤において、インフュージョンリアクション(急性輸注反応)と呼ばれる反応を示すことがあり、投与開始直後~24時間以内、特に初回投与開始後30分~2時間以内に発熱、悪寒、悪心、頭痛、疼痛、皮膚掻痒感、発疹、咳嗽、アナフィラキシー様症状、気管支痙攣、重度の血圧低下、急性呼吸促進症候群などの症状が出現することがあります。
抗がん薬のタキソール、タキソテール投与による急性過敏反応は投与1~2回目での出現が約8割、リツキサン、ハーセプチンは初回投与時の出現頻度が高く、エルプラット、カルボプラチン、シスプラチンなどの白金製剤は投与回数が増えると蓄積性により出現頻度が高くなるとも見られています。
急性過敏反応の予防のために、抗アレルギー作用を目的としてデキサメタゾン(副腎皮質ホルモン製剤。デカドロン、レナデックス、デカドロンエリキシル)、ラニチジン(H2ブロッカー。ザンタック)、クロルフェニラミン(抗ヒスタミン薬。ポララミン)、ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬。レスタミンコーワ)などが使用されることがあります。
ヒスタミンにはH1、H2、H3、H4の受容体サブタイプがあり、H1受容体は血管、気管支、腸管、粘膜、皮膚などに存在し、抗ヒスタミン薬はH1受容体を遮断するはたらきがあります。
H2受容体は壁細胞、子宮、心臓などに存在し、また皮膚に存在するヒスタミン受容体のうち15%程はH2受容体と見られています。H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)はガストリン、アセチルコリンによる胃酸分泌抑制効果が知られていますが、H2受容体を遮断するはたらきがあります。
一見アレルギーに深く関与しなさそうなH2ブロッカーも抗ヒスタミン薬と一緒に摂取することで、H1受容体、H2受容体を効率的に遮断したり、H2ブロッカーが抗ヒスタミン薬の代謝を阻害し、抗ヒスタミン薬の体内濃度を上昇させ効果を増強させたり、ヒスタミン刺激によって抑制されるTh1(制御性T細胞)の細胞性免疫が活性化され、IgEなどの抗体産生を抑制し、アレルギー症状を抑えるはたらきなどが考えられています。
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