不飽和脂肪酸の割合が高い油脂は常温で液体の油になりますが、飽和脂肪酸の割合が高い油脂は常温で固体になる特徴があります。
不飽和脂肪酸の割合が高い植物油や魚油を使用し、常温で固体の油脂製品に製造する場合には、不飽和脂肪酸にある炭素-炭素二重結合の一部に、部分水素添加することで二重結合の数を減らし、飽和脂肪酸の割合を増やします。脂肪酸の融点を上げ、硬化処理により固体または半固体状に製造された油脂を、硬化油または部分水素添加油(PHOs)といいます。
トランス脂肪酸は、牛などの反すう動物の反すう胃内でバクテリアの働きにより生成され、乳や肉などに少量含まれることがありますが、工業的に(加工・調理段階で)以下過程で生成される場合があります。
・植物油等の加工の際、水素添加の過程において、シス型の不飽和脂肪酸から生成
食品例:マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングを原材料に使用したパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物など
・植物油等の精製の際、脱臭の過程において、シス型の不飽和脂肪酸から生成
食品例:サラダ油など
・油を高温で加熱する調理過程にて、シス型の不飽和脂肪酸から生成
(不飽和脂肪酸はシス型とトランス型に分けられます)
カナダ保健省では、部分水素添加油(PHOs)は工業的に生成したトランス脂肪酸の主な供給源だとしており、部分水素添加油(PHOs)の使用禁止で、食料供給段階でのトランス脂肪酸のレベルが下がり、カナダ人の健康保護の助けになり得ると考えていましたが、2017年9月15日付けで、食品中の部分水素添加油(PHOs)の使用を禁止すると発表しています。
アメリカFDAは2015年6月16日に、部分水素添加油(PHOs)を従来から使用され一般的に安全と認められる物質であるGRAS(Generally Recognized As Safe)の対象から除外する規制を決定しており、2018年6月18日~食品中の部分水素添加油(PHOs)の使用原則禁止が施行されますが、カナダでの食品中の部分水素添加油(PHOs)の使用禁止の施行は2018年9月15日~になります。
Notice of Modification - Prohibiting the Use of Partially Hydrogenated Oils (PHOs) in Foods
https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/public-involvement-partnerships/modification-prohibiting-use-partially-hydrogenated-oils-in-foods/information-document.html
トランス脂肪酸に関する各国・地域の取り組み
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_kokusai/overseas.html
また「日本人の食事摂取基準(2015年版)」の目標量に対し、30~49歳女性では、飽和脂肪酸の摂取量がやや超過傾向にある、との結果も見られています。脂質、油脂の摂取全体量が過多になることなく、必要な脂質、油脂の摂取については過不足のないよう、できるだけバランス良い食生活を送ることが望ましいですね。
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