Author クミタスさん
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2017.10.06
アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS)は、真菌が増殖した副鼻腔を中心に発症し、副鼻腔粘膜への真菌の浸潤は認めず、副鼻腔内、粘膜内に活性した好酸球が浸潤し、真菌に対して特異的IgE値陽性、または皮内テスト陽性といったアレルギー反応を示す特徴などがあり、小児での発症例も報告されています。
前鼻漏、後鼻漏、鼻閉、嗅覚低下、顔面痛、圧迫感といった症状が12週以上続き、内視鏡検査で中鼻道粘膜浮腫、またはポリープ形成が確認されます。好酸球性副鼻腔炎との鑑別が難しい面がありますが、好酸球性副鼻腔炎は比較的、両側の鼻に病変が見られ、アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS)は両側の鼻に病変が見られることもありますが、比較的、片側の鼻に見られることが多いとも見られています。
アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS)以外にも、アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS)と同様に真菌が増殖した副鼻腔を中心に発症し、副鼻腔粘膜への真菌の浸潤を認めないタイプですが、真菌によるアレルギー反応のない慢性非侵襲性(寄生型)の副鼻腔真菌症、真菌が病原菌となり体内に入る急性侵襲性、亜急性侵襲性、慢性侵襲性の副鼻腔真菌症があります。
副鼻腔真菌症の原因真菌には、アスペルギルス、ムーコル、カンジダ、カーブラリア(curvularia)、ドレッシラ(Drechslera)、ビポラリス(Bipolaris)、アルテルナリア、クラドスポリウムなど、住居内に存在することのある真菌も該当し、また真菌に属するキノコのスエヒロタケも原因となることがあります。
アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎においては、吸入し副鼻腔で定着した真菌が抗原となると考えられていますが、鼻腔内で抗原が増殖する点、完全な除去が難しい場合がある点なども病態に影響し懸念されるところでもあります。
場合により副鼻腔周辺の骨破壊が進む場合がありますので、2週以上など長期に渡り、(いつも同じ側の)鼻が詰まる感じがある、膿性鼻水が続く、目の周りや頬に痛みを感じる、頭痛が続くといった場合には、受診し相談できるのが望ましいでしょう。
出典・参考:副鼻腔真菌症の診断と治療
尾状細胞と蝶形静脈の主な病変を有するアレルギー性真菌鼻副鼻腔炎の1例
アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS)の検討
アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(AFRS)について
骨破壊を伴った,アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎(Allergic fungal rhinosinusitis)の2症例
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