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アルコール含有ゼリー摂食による急性アルコール中毒が疑われた例

2024.06.20

投稿者
クミタス

小児の誤飲による急性アルコール中毒事例は以下を参照いただければと思いますが、
エタノール含有洗口液の誤飲と急性アルコール中毒
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4672 
今回は、アルコールが含まれていたゼリーを摂食したことによる急性アルコール中毒が疑われた事例を掲載します。
 
自宅居間で、4歳4か月の男児が「冷蔵庫にあるゼリー食べていいか」と母親に尋ねた。母親はゼリーにアルコールが入っていることを認識していなかったため、「問題ない」と伝えた。4歳4か月の男児と、2歳3か月男児がゼリーを食べ始めて、5分〜10分程度経った頃に2歳3か月男児の顔が赤くなっていたため、母親がゼリーのラベルを確認し、ゼリーの中にアルコール(アルコール度数約1.5%、アルコール量約 1.2 g)が含まれているのが発覚。その後、医療機関を受診した。
受診時のバイタルサインは4歳4か月男児が血圧 97/58 mmHg、脈拍数107回/分、SpO2 98%(14時57分に確認)、2歳3か月男児は血圧82/54 mmHg、脈拍数 125回/分、SpO2 98%(14時58分に確認) であった。意識レベルの低下はなく、身体所見上も顔面の発赤が2歳3か月男児に見られたのみであった。特に処置することなく外来フォローとし、その後も問題は発生していない(出典・参照:No. 141 洋酒入りゼリーの誤食による急性アルコール中毒の疑い)。
 
アルコールの吸収は摂取から血中濃度のピークまでが空腹時で60分程度、満腹時で180分程度と胃内の状態によって大きく変動し、アルコールは血中濃度のピーク値の高さに関係なく、1時間あたり10~25 mg/dL (2.2~5.6 mmol/L)の速度で体内から排出され、小児においては血中アルコール濃度が100 mg/ dL(22 mmol/L)程度でも致死的な低血糖が起こり得るとの示唆もなされています。
一部のゼリー以外に、アイス・氷菓、キャンディ、チョコレート菓子などにもアルコールが使用されている商品もありますので、特に小児が食べる際には原材料名の記載を確認できるのが望ましいでしょう。

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