バラ科に属する梨、西洋ナシは、りんご、サクランボ、杏、桃、アーモンドなどと同様に、シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシなどのカバノキ科植物花粉との交差反応性があることが分かっています。
西洋ナシのアレルゲン
西洋ナシの主要アレルゲンとして、以下が考えられています。
・LTP:Pyr c 3
りんご、桃、アスパラガス、大豆、ピーナッツ、くるみ、クリ、アーモンド、米、小麦、ごま、キウイ、トマトなどにも見られます。胃に存在する消化酵素のペプシンで分解されにくく、熱耐性があり、全身症状を伴う場合もあります。
・PR-10:Pyr c 1
シラカバ花粉(Bet v1)と関連した花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)のアレルゲンと見られています。
・プロフィリン:Pyr c 4
シラカバ花粉(Bet v2)と関連した花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)のアレルゲンと見られています。消化酵素で分解されやすいため顕著な胃腸症状は出にくい面があり、口腔を中心とした症状が見られます。
梨・西洋ナシによるアレルギー症状
梨、西洋ナシによるアレルギーにおいては、シラカバ花粉(Bet v1)と関連した花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)の症状として口腔を中心としたOAS症状が出現するケースが多く、他のりんご、サクランボ、杏、桃、アーモンドなどのバラ科植物、また豆乳にもアレルギー反応を示す場合があります。
口腔咽頭症状を呈するOAS(口腔アレルギー症候群)症状を発現しやすい食物としては以下が挙げられています(出典:特殊型食物アレルギーの診療の手引き 2015)。
成人135例、小児43例、不明1例における原因食品の内訳
・りんご(バラ科) 13.2%
・もも(バラ科) 11.2%
・キウイ(マタタビ科) 10.2%
・メロン(ウリ科) 7.0%
・大豆(マメ科) 5.2%
・サクランボ(バラ科) 3.7%
・バナナ(バショウ科) 3.7%
・トマト(ナス科) 3.5%
・いちご(バラ科) 3.2%
・スイカ(ウリ科) 3.2%
・びわ(バラ科) 2.7%
・アボカド(クスノキ科) 2.2%
・梨(バラ科) 2.0%
・柑橘系(ミカン科) 2.0%
・ピーナッツ(マメ科) 1.7%
・パイナップル(イネ目パイナップル科) 1.7%
・きゅうり(ウリ科) 1.7%
・アーモンド(バラ科) 1.2%
・梅(バラ科) 1.0%
・ぶどう(ブドウ科) 1.0%
・にんじん(セリ科) 1.0%
・いちじく(バラ目クワ科) 1.0%
・えび、かに 1.0%
・いか、たこ 1.0%
・くるみ(クルミ科) 1.0%
また、ナシ果樹園作業者など、職業上梨、梨花粉に接触する機会の多い方等において日本梨花粉への鼻症状、眼症状が出現することがあり、ほかに梨ジュースへの反応で、糖質のエリスリトールが原因と見られるアレルギー反応の報告もあります。
こちらにも掲載しております。併せてご参照ください。
小児での果物アレルギーについて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1787
花粉へのIgE反応とOAS、症状発現しやすい食物~果物・野菜アレルギー、OAS、PFS
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1331
出典・参考:エリスリトールによる即時型アレルギーの1例
ナシ果樹園作業者における花粉症に関する疫学的調査
タイナイ おこめ食パン
252kcal/100g
10025
ひょこちゃん
モニターで頂きました。 …