イカ、タコの主要なアレルゲンは、貝類、甲殻類のエビ、カニと同様にトロポミオシンとみられています。
エビ類同士のトロポミオシンのアミノ酸配列の相同性は95%以上、エビ、カニ間では85~95%と高い一方、甲殻類と貝類のトロポミオシンのアミノ酸配列の相同性は約60%、イカ、タコなどの頭足類と甲殻類のトロポミオシンのアミノ酸配列の相同性は57~76%ほどと見られ、エビアレルギー患者さんでイカにアレルギー症状が出現した患者さんは17.5%、タコにアレルギー症状が出現した患者さんは20.3%、また、イカ、タコ間のトロポミオシンのアミノ酸配列の相同性は92~96%、イカ、タコと貝類とは 70~82%との報告もあります。
甲殻類は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因食物の約3割を占めていますが、イカが原因食物になる場合もあります。
特にアスピリンを摂取しておりイカを摂食したことでの症状出現例が見られ、アスピリン増量により症状誘発、増強されることもあります。
アスピリンによる影響(2017.7.24更新)
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2150
また、イカには体長2~3cm、うず巻き状で半透明の寄生虫アニサキス(線虫)が含まれる場合があり、アニサキスによる食中毒、アレルギー反応を起こすことがあります。
アニサキス自体は加熱により死滅しますが、トロポミオシンは熱耐性があり、アニサキスアレルゲン(Ani s 1、Ani s 2、Ani s 7、Ani s 11-like、Ani s 12、Ani s 13、Ani s 14 またトロポニンC、Ani s 3、4、5、6、8、9など)の中には熱耐性があると見られるものも含まれますので、加熱調理したイカでも症状出現することがあります。
今回は主にイカについてお送りしましたが、貝類についてもまた別途お送りしたいと思います。
出典・参考:アスピリン1.5gの組み合わせ負荷試験により診断し得た、イカの食物依存性運動誘発アナフィラキシー
Tropomyosins in gastropods and bivalves: Identification as major allergens and amino acid sequence features
甲殻類アレルゲン
食物アレルギー診療ガイドライン 2016 ほか
ラムフォード ベーキングパウダー 114g アルミニウムフリー
14359
Mayu Ishikawa
アルミニウムフリーのベー…