小麦、大麦、とうもろこしなどの穀類は、赤かび病に感染することがあり、赤かび病の原因となるフザリウムが作り出すカビ毒の1種、デオキシニバレノールに汚染された小麦、大麦、とうもろこしを摂食することがあります。
国内でも過去には食中毒が続いた時期もありましたが、摂食すると急性毒性として嘔吐や食欲不振、腹痛、下痢など、急性毒性を示さない程度の量の長間摂取による慢性毒性として造血機能障害、免疫系への影響可能性が考えられています。
特に体重の少ない低年齢児(1歳~6歳)においては、体重当たりの推定摂取量が全年齢集団と比較して2倍程度高いとの示唆もなされています(1歳~6歳でのn数227人)。
温暖で湿潤な日本は赤かび病は比較的に発生しやすい環境で、国産小麦においても赤かび病は発生しており、国産麦類の生産過程(播種~収穫、乾燥調製、貯蔵の各工程)におけるカビ毒汚染防止、低減のための指針が示されています。小麦粉になる前の段階でカビ毒汚染を低減できることが望ましい対策になりますが、輸入後の小麦のデオキシニバレノール低減対策や、国内製造の段階において乳幼児用を分けて管理、製造することにおいて難しい面がある、との意見もあります。
カナダ食品検査庁(CFIA)では2016年8月5日に、乳児用調製乳、乾燥果実、大豆製品及び穀物ベース製品(小麦製品、コーン製品、えん麦製品、消費量の少ない製粉製品、乳児用シリアル、朝食用シリアル、パン、焼成品及びクラッカー)に含まれるデオキシニバレノール濃度の調査結果を公表していますが、3,630検体中77%からデオキシニバレノールは検出、検出された食品は多岐に渡っており、濃度は1ppb~4,380ppbと差が見られています。
Codex委員会、EUの基準値においては乳幼児用の穀類加工品での基準値(200µg/kg)が設けられています。国内の基準、リスク評価について検討がなされているところですが、また進展がありましたら掲載したいと思います。
「国産麦類中のかび毒の実態調査」の結果について
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/kabidoku/tyosa/attach/pdf/index-5.pdf
2012-2014 Deoxynivalenol in Selected Foods
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