Author クミタスさん
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2018.03.26
アトピー性皮膚炎の有症率、寛解は減少し続けており、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症は増加が続いている中、小児気管支喘息の有症率は、2002年の調査までは増加の一途でしたが、2012年の調査では減少しており、同様に喘鳴も減少し、喘息寛解は横ばい~わずかに増加という結果も示されています。一方で、気管支喘息の初発年齢は低年齢化しており、6歳までに発症している児は、1992年、2002年調査よりも2012年調査結果の方が多くなっているところでもあります。
また、家族歴(父母、きょうだい)にアレルギー疾患のある方、既往歴に2歳までの下気道感染のある方では、アレルギー疾患全ての有症率が高い傾向がある可能性の示唆もなされています。
5歳までに喘息と診断された児において、その後どのような状態にあるか、経過を追った調査があります。
2016 年9月までに結果を返送した調査対象386人(登録時年齢は 2.2±1.3 歳(平均±標準偏差)、現在の年齢は 11.6±1.4 歳(平均±標準偏差)、男児が全体の 66.8%(258人))の全体の半数以上が現在発作も治療もない状態となっており、真の重症度が軽症持続型の児が多かった。
登録時の発作型は中等症持続型が45.6%で最も多く、間欠型(37.6%)、軽症持続型(7.8%)、1年後以降は間欠型が最も多く、5年後は8割以上が間欠型、中等症持続型が8%、治療を加味した真の重症度は登録時には重症持続型が 44.5%、次いで軽症持続型が27.3%で、5年後には間欠型、軽症持続型がそれぞれ4割を占めていた。
登録時には吸入ステロイド、ロイコトリエン拮抗薬はそれぞれ約4割、約8割で使用されており、5年後はいずれもほぼ半数で使用、β2刺激薬の使用状況は登録時87.8%、5年後は 53.5%であり、喘息が全て寛解している状況ではないものの、治療をおこなっていることで症状の改善が得られている面もあることが伺えるところでもあります。
小児喘息の多くは3歳未満での発症になりますが、3歳以下の小児に肺機能検査、評価を正しく行えることなどで、確実な診断基準を基にした乳幼児喘息の治療法、予後判定法の改善ができれば、乳児喘息に対してさらに早期介入、小児喘息の2次予防、3次予防が可能になる可能性も考えられています。また進展があれば掲載していきたいと思います。
出典・参照:
(3)気管支ぜん息の動向等に関する調査研究 ①気管支ぜん息患者の長期経過及び変動要因 気管支ぜん息の動向等に関する調査研究
Ⅰ 小児気管支ぜん息の経年変化および地域差に関する調査研究 Ⅰ-① 小児気管支ぜん息の経年変化および地域差に関する調査研究
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