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化粧品による反応例

2018.04.05

投稿者
クミタス

染毛剤、香料、防腐剤、抗酸化剤、油剤、保湿剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、色素、樹脂、美白剤、そして食物(由来)成分などにより、皮膚症状が出現する場合があり、オランダでの2016年~2017年における化粧品使用による反応をまとめたレポートでは、イソチアゾリノン類(防腐剤)、香料や染毛剤による皮膚障害、特定の歯磨き粉使用による歯肉および舌の発赤および疼痛、またネイリストにおいてネイル製品中の(メタ)アクリレートに反応する例などが報告されています。国内ではまつ毛エクステンションの接着剤の主成分であるエチルシアノアクリレート (ECA) による皮膚炎の例もあります。

染毛剤使用による皮膚障害においては頭皮に限らず、顔面や頸部に膨疹、湿疹が見られ、体幹・四肢に湿疹が出現することがあります。ヘナ染毛剤にも使用されることのあるパラフェニレンジアミン(p-phenylenediamine。PPD) 、パラアミノフェノールなどが主な原因物質となり、比較的症状の強い全身性のアレルギー反応を起こすことがあります。

ネイルリムーバー(除光液)などに使用されることのあるアセトンなどの有機溶媒は角層内の脂質を溶かすことがありますが、シャンプーやリンス、石けんなどのすすぎ残しや過度の使用により、含有物質によっては皮膚炎を誘発することもあるため、十分なすすぎや適切な使用を心がけることは大事なことでもあります。
顔の皮膚炎においては、点眼液成分がまぶたや目の周辺の皮膚に残った状態で、含有物質により痒みが誘発されることがあります。防腐剤としての用途で含有される塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物)に、また緑内障治療点眼薬、抗菌薬含有点眼薬、β-ブロッカー点眼薬の中には皮膚炎を誘発する可能性があるものがありますが、アンレキサノックス(エリックスⓇ)、フマル酸ケトチフェン(ザジテンⓇ)といった抗アレルギー点眼薬の主成分による皮膚炎誘発可能性も挙げられています。またクロルヘキシジングルコン酸塩(防腐剤)により即時型アレルギーを発症する場合もありますのでご留意ください。

出典・参照:Cosmetovigilance in the Netherlands 2016–2017

フタル酸エステルとアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2075
イソチアゾリノン系防腐剤による皮膚炎
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2476
クロルヘキシジングルコン酸塩によるアナフィラキシー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1912

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