1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

流行性角結膜炎について

2018.06.05

投稿者
クミタス

「はやり目」の呼称でも知られる流行性角結膜炎はアデノウイルス(8、19、37型等)の感染により発症し、小児~成人で発症し、結膜の充血、眼の痛み、目やに、流涙、ゴロゴロした感覚、まぶしさを感じるなどの症状を引き起こします。感染力が強く、片側の眼に感染した場合も、両方の眼で症状を自覚するようになることも多く、ウイルスが付着した手を介した接触により感染することもあります。

2018年5月(週報5月7日~13日、5月14日~20日)において、過去5年間の同時期との比較で発症報告数が多くなっています。
急性出血性結膜炎、咽頭結膜熱(プール熱)もウイルス性の疾患になりますが、流行性角結膜炎と比較すると症状は軽いことが多いともみられる咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルス(3型、7型等)に感染することにより喉の痛みや発熱などが見られ、流行性角結膜炎では、耳の前やあごの下にあるリンパ節が腫れることがあります。

流行性角結膜炎は発症してから約1週間に病状のピークがあり、発症後2~3週間で改善していくことが多いのですが、炎症が強い場合、まぶたの裏側に膜のようなものができる偽膜性結膜炎を起こし、混合感染で角膜に孔が開く角膜穿孔を起こすことや、結膜とまぶたの裏が癒着(瞼球癒着)することもあります。特に新生児や乳幼児などでは、炎症が強くなる場合もあるとみられていますので、重症化させないようにしたいところです。また、角膜炎などが続き、混濁が残る場合などもありますので、必要な治療の継続が大事になります。

眼の症状が良くなっても2週間くらいまでは排菌し、感染力があることを踏まえ、家族間での感染予防のうえでも、手洗い、手で目をこすらず涙や目やにはティッシュペーパーを用いて拭いてビニール袋にまとめて捨てる、タオルや洗濯物は家族の物とは別に洗い使用する、点眼薬は症状のある目だけに使うなどの対策、また登校やプールは医師の許可を得るようにし、医師の許可があるまで通院するのが望ましいでしょう。


出典・参照:感染症発生動向調査週報IDWR
国立感染症研究所感染症疫学センター 流行性角結膜炎とは
ボシュロム 結膜炎(けつまくえん) ほか

    {genreName}

      {topics}