Author クミタスさん
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2018.06.25
耐性獲得に影響可能性が考えられる因子として、様々な抗原で共通して挙げられることの多いものに
・特異的IgE抗体値が低い
・皮膚プリックテストの膨疹大(直径)が一定未満
があります。
食物アレルギーにおける耐性獲得について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2034
鶏卵アレルギーにおいて、卵白特異的IgE抗体価が高値なほど、鶏卵アレルギーの耐性獲得が遅い、牛乳アレルギーにおいて耐性獲得が進む症例では抗体値が次第に低下する傾向が見られるとの報告もありますが、アナフィラキシー歴のある方においても、同様のことが言えるのでしょうか?
2歳以上18歳以下で小麦特異的IgE抗体値がクラス2以上、小麦にアレルギー症状、アナフィラキシー歴があり、経過観察可能な52人(男38人、女14人。年齢中央値8歳)のうち、耐性獲得群33人、除去群19人での比較では、性別、年齢(2歳~18歳)、観察期間、アレルギー疾患合併率に差は認められなかったが、耐性獲得群では、小麦特異的IgE抗体値の最高値がより低く、経年的に小麦特異的IgE抗体が低下する傾向があった、との報告(出典:耐性獲得できた小麦アナフィラキシー患者の特徴)、も見られ、比較的重い症状歴のある小麦アレルギー児においても特異的IgE抗体値が低い場合、早期に特異的IgE抗体値が低下する場合は、耐性獲得を望める可能性が伺えます。
また、2000~2011年に出生した明らかな即時症状のある、または食物経口負荷試験で陽性の大豆アレルギー児46人(男28人、女18人。アトピー性皮膚炎57%、気管支喘息17%、大豆アレルギーでのアナフィラキシー歴あり15%)において、寛解率は3歳で52%、6歳で78%、経過中の大豆特異的IgEのピーク値は、寛解に至った例で4.58、至らなかった例で17.9と、寛解に至った例では大豆特異的IgEのピーク値が低いことが伺えます(出典:即時型大豆アレルギーの自然歴)。
今回は特異的IgE抗体値に関する示唆についてお送りしましたが、比較的に症状の強い方における耐性獲得、寛解に影響する因子については、またお送りしていきたいと思います。
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