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アドレナリン持続静注について

2018.06.30

投稿者
クミタス

アドレナリン筋肉注射(エピペンなど)は、1本で改善が見られない場合、複数本使用されることがありますが、それでも改善が見られない場合、環境の整った病院ではアドレナリン持続静注がおこなわれることがあります。

・アドレナリン筋注3回の後:2歳男児で、そばの初回摂食で症状が出現し、アドレナリン筋注3回の後、0.1yのアドレナリン持続静注を実施
・アドレナリン筋注5回の後:15歳男児で、リンゴによる食物依存性運動誘発アナフィラキシーの誘発試験が陽性となり、アドレナリン筋注5回の後、0.03yのアドレナリン持続静注を実施
・アドレナリン筋注9回の後:3歳男児で、加熱鶏卵解除後に加熱の不十分な鶏卵を摂食し、症状が出現。アドレナリン筋注9回の後、0.2yのアドレナリン持続静注を実施

食物アレルギー診療ガイドライン2016では「アドレナリン筋肉注射の単回投与でも状態の改善が見られない場合、生理食塩水、または各種リンゲル液による急速補液を施行し、状態を見ながら5~15分間隔でアドレナリン筋肉注射および急速補液の再投与を繰り返します。アドレナリン筋肉注射を複数回実施したアナフィラキシー症例は、16~36%との報告がありますが、複数回(3回程度)投与しても、状況の改善が見られない場合は、アドレナリン持続静注を考慮する」とされています。

家庭や外出先でのアナフィラキシー発症時には、まずは、エピペン投与を速やかにおこない、この時期は特に、日光の当たる高温下や車のダッシュボード内に長時間入れておかないようにし、期限内のエピペンの使用、打ち損じなどがないよう定期的なトレーニングができるようにもしておきたいですね。


出典・参照:アナフィラキシーショックに対しアドレナリン持続静注を行った5例

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