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家庭内除去の後、閾値が上昇したピーナッツアレルギー児のケース

2025.02.19

投稿者
クミタス

家庭で調理した後には、食べ物に触れた手指を介することでもテーブルの表面に残存したり、ソファーや枕の繊維に付着しハウスダスト内に食物アレルゲンが含有している場合もあります。
摂食後に室内に残存するタンパク質について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2558
今回は、家庭内へのアレルゲン食物の持ち込み禁止、本人・家族のアレルゲン食物の摂取禁止を行い、アレルギー症状を引き起こす最低量(閾値(いきち))を上昇できたピーナッツアレルギー児のケースについて掲載します。

10歳男児。3歳時にピーナッツ3粒でアナフィラキシーを発症。ピーナッツ特異的IgE抗体は0.85UA/mL、ピーナッツの主要アレルゲンの1つであるAra h2の特異的IgE抗体は1.49 UA/mLで除去となった。5歳時のピーナッツ 0.05-0.1gでの負荷試験は陰性。以後0.1gの摂取を継続となったが、咽頭違和感から摂取中断となり、7歳から連日摂取再開。8歳のピーナッツ0.2gでの負荷試験でアナフィラキシーとなり、アドレナリン筋注を要した。経皮感作の減少を期待し、家庭内へのピーナッツの持ち込みや、児と家族の摂取を禁止した。家庭内除去開始から1年8か月後、プリックテスト陽性のため、除去継続2年3か月後のピーナッツ0.1-0.2gでの負荷試験は陰性であった。この時、ピーナッツ特異的IgE抗体0.10 UA/mL、Arah 2 特異的IgE抗体 <0.10 UA/mLで、好塩基球活性化試験は陰性であった。以後ピーナッツ0.2gを継続摂取し,今後は増量を検討している(出典・参照:飯尾知輝 谷川誠一 小林孝輔 塩谷裕美 原 良紀 只木弘美 国立病院機構横浜医療センター小児科 家庭内除去後に閾値が上昇したピーナッツアレルギーの一例)。

家庭内での感作、発症機会に関しては、以下もご参照ください。
家族の摂取頻度とアレルギー症状出現
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4327
小麦麺の湯気でアレルギー症状が出現した例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4038

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