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各でんぷんの違い

2018.07.27

投稿者
クミタス

でん粉には、原料が根や地下茎である地下でん粉、原料が種子(実)などの地上でん粉があります。
種子(実):コーンスターチ、米でん粉、小麦でん粉、こうりゃんでん粉、緑豆でん粉、小豆でん粉、他豆でん粉など
幹:サゴでん粉、ソテツでん粉
根・地下茎:片栗粉(ばれいしょでん粉)、甘藷でん粉、本葛粉、本わらび粉、れんこんでん粉、タピオカでん粉、タイガーナッツでん粉
地下でん粉は膨化率が高い傾向にあります。

でん粉によってもアミロースとアミロペクチンの比率、分子サイズが異なり、育成時期の気温によってもアミロースの比率が変わることがありますが、各種でん粉の特性、違いについてお送りします。

各でんぷんの違い


・でん粉の凝集性(まとまりやすさ)
まとまりやすさの点で、サゴでん粉、米でん粉、タピオカでん粉、甘藷でん粉、本葛粉、本わらび粉は近い面があります。

・糊化温度
でん粉はグルコース(ブドウ糖)を最も小さい単位として、50℃超くらいから糊化し、また焼くことで膨化する特徴があります。糊化温度は、片栗粉で56~66℃、タピオカでん粉58.5~70℃、コーンスターチは62~74℃、甘藷でん粉62~88℃、サゴでん粉70~78.5℃、葛でん粉70~80℃(出典:澱粉科学ハンドブック)と、片栗粉が比較的低い温度から糊状になり、葛でん粉は比較的しっかりとした加熱が必要になります。低い温度から糊状になるでん粉は、あんかけ料理に向いています。

・透明度
糊化でん粉は冷蔵庫内など低温で保存すると、白濁したり、硬くぼそっとした食感になることがあります。わらび餅、葛餅において白濁を抑えるには、砂糖と一緒に加熱する、しっかり加熱する、急激に冷やさないようにすることが挙げられます。コーンスターチは白濁した仕上がりになりやすいため、白く仕上げるブラマンジェや、プリンなどに適しています。

・粘度(粘り)
糊化でん粉の最高粘度は片栗粉が最も高く、甘藷でん粉、タピオカでん粉、サゴでん粉、本わらび粉、本葛粉、小麦でん粉・コーンスターチの順で低くくなる傾向があります。
ただ、片栗粉は加熱をしてから5分から15分の粘度が最大で、加熱を続けたり、温度が下がると粘度が低下していくため、粘度の高い状態を維持させるものには向かない面があります。また、一緒に調理するものによっても粘度が変化します。
粘度低下:食塩、食酢、酸など
食酢、レモン汁などはとろみがついた後に加えると粘度低下抑制になります。

・離水
糊化した状態では、でんぷん分子間に水の分子が均一に分散していますが、温度の低下、時間経過とともにでんぷんの老化状態となり、水分子を保持できなくなり、表面に滲出する、離水が進みます。片栗粉やサゴでん粉は比較的離水がおこりにくく、緑豆でん粉、コーンスターチでは離水が比較的おこりやすい面があります。

適したでんぷんは?


各商品では以下などのでん粉が使用されています。

ごま豆腐:甘藷でん粉、本葛粉

わらび餅:本わらび粉、甘藷でん粉、れんこんでん粉
本来は本わらび粉を使用するところですが、わらび餅粉として甘藷でん粉100%の商品、本わらび粉入り甘藷でん粉商品もあります。

くず餅:本葛粉、小麦でん粉、甘藷でん粉
本葛粉は葛粉100%で、くず粉商品として甘藷でん粉100%の内容のものもあります。関東では小麦でん粉からつくられるくず餅もあります。またくず餅商品として、馬鈴薯でん粉、ゲル化剤、寒天が使用されたものもあります。

プリン:コーンスターチ、甘藷でん粉、タピオカでん粉、本葛粉など。
ゼリーにおいては、透明度の高い仕上がりになるタピオカでん粉がより向いています。またブランマンジェはコーンスターチ以外にサゴでん粉なども食感が近くなります。
でん粉、粉を使用しないでLMペクチンとカルシウムの反応によりゲル状に仕上げる方法もあります。りんごや柿を用いることもできます。
フルーチェを牛乳を使用しないでつくるには
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1697

カスタードクリーム:粘度が低く、冷えてもしばらく粘度低下が少ないコーンスターチや、小麦でん粉が向いています。

せんべい:ばれいしょでん粉、タピオカでん粉、甘藷でん粉
膨化がよい地下でん粉がより適しています。
クッキーはサゴでん粉の置換量が多くなると、ほろっとした食感が出ます。

代用としては?


メニューにもよりますが、地下でん粉でつくるレシピにおいては、地下でん粉内で代用を検討すると仕上がりが近くなることもあります。

葛でん粉 ⇒ 甘藷でん粉
各でん粉の中では、食感が近い面があります。

本わらび粉 ⇒ 甘藷でん粉

タピオカでん粉 ⇒ 片栗粉
粘度、透明感など近い性質があります。ポン・デ・ケージョづくりなどでは、白玉粉も代用として仕上がりが近くなります。

でん粉の特徴、性質についてはまた別途お送りしたいと思います。

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