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腸内細菌の異常増殖 2018.9.27更新

2018.08.16

投稿者
クミタス

乳幼児~成人において一部の腸内常在細菌が過剰に増殖し、腹部不快感、下痢、腹部膨満、過剰な鼓腸等の症状が現れ、下痢や栄養素の吸収不良を起こすことがあります。過敏性腸症候群(IBS)の一部で小腸内細菌異常増殖(SIBO)が見られることがありますが、低体重児などでの未熟性による腸管蠕動不良、また壊死性腸炎、消化管アレルギー、胃酸分泌や膵液、胆汁などの分泌、回盲弁の存在、分泌型IgAなどの免疫機序などによる影響が考えられています。

増殖した細菌は、炭水化物やビタミンB12などの栄養素を消費し、摂取カロリーの減少やビタミンB12欠乏症が生じることがあります。また細菌が、肝臓から分泌する胆汁酸塩も分解することで、脂肪が吸収しにくくなり、下痢や栄養不良が生じる場合があります。

超低出生体重児では腸内細菌叢の乱れが起きやすい面がありますが、在胎30週4日、812 gで出生した女児にて日齢36に壊死性腸炎を発症し、日齢44に消化管穿孔に対して開腹術を施行。壊死小腸を切除し、術後11日目に母乳を再開し順調に増量できたが、日齢90頃より下痢便が出現。乳糖不耐症を疑いMA-1®へ変更し改善したものの、日齢123に血便、腹部膨満、CRP上昇を認め、消化管アレルギーを疑いエレメンタルフォーミュラ®へ変更したが改善せず、1週間絶食後に経腸栄養を再開したが腸管ガス貯留が持続し、壊死性腸炎術後に消化管アレルギーと腸内細菌異常増殖症の合併が疑われた、超低出生体重児の例の報告もあります。

腸内細菌に関する報告は様々なされていますが、
腸内細菌叢と炎症、アレルギー~制酸剤、抗菌薬
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2655
また情報をアップデートしていきたいと思います。


出典・参考:壊死性腸炎術後に消化管アレルギーと腸内細菌異常増殖症の合併が疑われた超低出生体重児の1例

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