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あずきによるアレルギー(小豆アレルギー)について。ほかの豆への反応は?

2018.09.26

投稿者
クミタス

豆類によるアレルギーとしては大豆、ピーナッツ、またひよこ豆、レンズ豆によるアレルギー症例の報告も見られてきています。
マメ科植物でのアレルギー反応例
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1889
豆類の中でも、小豆によるアレルギー症例の報告数は多くはありませんが、饅頭の摂取にて即時反応を呈し、小豆の即時型食物アレルギーと考えられた3歳男児例、6歳時に小豆摂取により全身蕁麻疹が出現した児の例などの報告もあります。

小豆と他の豆との交差反応性は?


大豆の主なアレルゲンとしては、
LTP:Gly m 1
ディフェンシン:Gly m 2
プロフィリン:Gly m 3
PR-10:Gly m 4
7Sグロブリン:Gly m 5
11Sグロブリン:Gly m 6
種子特異的ビオチン化タンパク質:Gly m 7
2Sグロブリン:Gly m 8
が考えられていますが、7Sグロブリンの Gly m 5、11Sグロブリンの Gly m 6 について、他の豆類とのアミノ酸相同性は50%程と見られています。

上記の、6歳時に小豆摂取により全身蕁麻疹が出現した児においては、9歳時に枝豆、インゲン豆を摂取して咳、白花豆摂取によりアナフィラキシー(咳、喘鳴、低酸素血症、紅斑)、10歳時に枝豆摂取でアナフィラキシーを起こしており、特異的IgE抗体検査では大豆、インゲン豆、Gly m 5、Gly m 6で陽性、Gly m 4は陰性、皮膚プリックテストでは全豆(小豆、大豆、インゲン豆、白花豆)で陽性で、免疫プロットはいずれの豆にも顕著な反応が見られ、強く反応した各豆のタンパク質は、7Sグロブリンであったことが示唆されています(出典・参照:小豆、インゲン豆、白花豆、大豆アレルギーの交差抗原の解析)。

Gly m 4は花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)、花粉と関連のある豆乳アレルギーの原因アレルゲンであり、Gly m 5、Gly m 6は他の豆にも見られることの多い貯蔵タンパク質の7Sグロブリン、11Sグロブリンでもあります。貯蔵タンパク質がアレルゲンである場合、他の豆にアレルギー反応を示すことがあることがありますが、貯蔵タンパク質以外のアレルゲンに反応する場合もあり、その場合、他の豆には症状が出現する可能性がより低くなる可能性もあります。各豆のアレルギーについては、また情報をアップデートしていきたいと思います。

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