Author クミタスさん
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2018.11.04
アトピー性皮膚炎など皮膚に浸潤した炎症がある状態では、黄色ブドウ球菌コロニー、黄色ブドウ球菌などが多く見られる傾向がありますが、表皮に存在する菌は1歳までの間にも種類が変化し、そして表皮に存在する菌の中にはアトピー性皮膚炎の発症を抑制するはたらきを示すものがある、との示唆は今までにもなされています。
黄色ブドウ球菌とアトピー性皮膚炎について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1903
最近の研究では、健常人の皮膚に常在するグラム陰性菌の Roseomonas mucosa をアトピー性皮膚炎患者さんの皮膚上に移植すると、湿疹改善効果がみられた、との報告もなされています。
10人の成人アトピー性皮膚炎患者さんに、1週間に2回、6週間、健常人の皮膚に常在する Roseomonas mucosa を含有するショ糖溶液を、肘の内側などに噴霧し、ステロイド剤、他の薬物を含む湿疹治療を継続したところ、副作用や合併症はなく、ほとんどの方でかゆみが抑制され、アトピー性皮膚炎の改善を経験し、細菌療法を止めてから4週間後にはステロイド剤の必要量が少なくなった。
次に、9〜14歳のアトピー性皮膚炎患者さん5人において、罹患した皮膚領域に、12週間毎週2回、そして1日おきにさらに4週間、Roseomonas mucosa を含有するショ糖溶液を噴霧したところ、同様に合併症や副作用はなく、ほとんどの参加者はステロイド剤の必要量が減少し、湿疹の改善を経験した。また、皮膚上の黄色ブドウ球菌コロニーも減少していた。
5人の子供のうち4人、10人の成人のうち6人で、アトピー性皮膚炎の重症度が50%以上改善することが観察されたが、有効性を評価するためには、プラセボとの比較なども必要と報告しています。
塗布剤含有物による影響、他の細菌による有用可能性なども含め、今後も追記していきたいと思います。
出典・参照:Ian A. Myles,1 Noah J. Earland et al. First-in-human topical microbiome transplantation with Roseomonas mucosa for atopic dermatitis
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