1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

オーストラリア・ニュージーランドにおける2016年~2018年のアレルゲン誤表示による商品回収から

2019.03.16

投稿者
クミタス

オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)における統計では、ラベルに表示していないアレルゲンが商品中に含有していたことによる商品回収は、2016年に33件、2017年に34件、2018年に46件発生しており、商品回収案件全体の46%、49%、46%を占めています。

そのうち消費者からの報告が機になったのは、2016年は13件(39.4%)、2017年は15件(44.1%)、2018年は21件(45.7%)と、アレルゲン表示漏れによる商品回収は4割前後において消費者からの報告を機としており、実際に食べてみて症状が出現したことで、表示していなかった成分が含有されていたことが判明したケースが伺えます。

また、2016年~2018年で消費者からの報告を機とした商品回収が増えている一方で、政府(公共)機関によるテストでの判明件数は2016年は8件(24.2%)、2017年で6件(17.6%)、2018年5件(10.8%)と少ない中でも減っており、今後も減り続けるのか気になるところです。

ラベルに表示していないアレルゲンが商品中に含有していたことによる商品回収の原因として、
・商品包装上の間違い(異なる商品のラベルと貼り間違えたなど)
2016年4件、2017年22件、2018年25件
が最も多く、この点は日本における回収理由とも共通する点であり、
・パッケージへの反映が不十分
(原料切り替え時に変更が必要な情報が反映されていなかったなど)
に次いで
・コンタミネーションによる含有
2016年2件、2017年3件、2018年4件
も3番目に多い発生原因となっており、ほかに当該商品にアレルゲン表記が必要であることを知らなかった、翻訳が完全でなかったなどの知識、スキル上の問題なども挙げられています。

誤表示があった場合には、商品ラベルの変更以外にも対応措置としてコミュニケーションフローの改善、製品成分の変更、製造会社の変更、機器の変更・リニューアル、取扱方法の修正、管理事項の追加、製造プロセスの改良、衛生管理の改善、スタッフの養成なども必要になることがありますが、アレルゲン誤表示においては、アレルギーの方をはじめ消費者が手にする前に適した表示がなされるようにしていきたいところです。

出典・参照:FSANZ Food recall allergen statistics 2016-2018 ​(March 2019)


ニュージーランドでの銃乱射事件におきまして亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げると共に、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。

    {genreName}

      {topics}