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皮膚掻破における爪切りの効果

2021.11.30

投稿者
クミタス

皮膚を繰り返し掻いていることで皮膚状態が悪化したり、さらに痒みが増幅することがあり、無自覚にも皮膚を掻いてしまうこともありますが、掻破対策としては爪を短くしておく、手袋を活用するなども挙げられます。
皮膚の掻破を抑える
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2506
今回は、爪切りの効果について検討した報告についてご紹介したいと思います。

2020 年9月~2020 年12 月に、皮疹を認め(EASI が1.1 点以上)かつ爪が伸びている(2mm 以上)アトピー性皮膚炎患児に対して、皮疹評価(EASI,POEM)、皮疹部位の皮膚培養、爪をこまめに短く切る指導を行い、1か月後に爪と皮疹を再評価した。
当院通院中のアトピー性皮膚炎患者96人中24人(男性16人、女性8人、年齢中央値4.5歳[四分位範囲3.5~6.0])が対象となり、爪の長さは2.3mm[2.0~3.0]であった。ヤケヒョウヒダニIgE 値92.8 UA/ml[46.6~402]と高く、皮膚培養からブドウ球菌属が検出されたのは18人(75%)であった。
1 か月後の再診時に爪を短く(2mm 未満)切ってきた児は14 人(58%)で、爪切り指導後のEASI スコア変化率は、爪を切っていた群と切っていなかった群でそれぞれ-90.9%[-100~-63.1]および-46.4%[-47.8~-1.85]であった(P=0.018)。POEM スコア変化
率はそれぞれ-40.0%[-52.6~-22.9]および+33.3%[+28.5~+133]であった(P=0.015)(出典・参照:西村幸士 杉海秀 田手壮太 西条中央病院小児科 小児アトピー性皮膚炎に対する爪切り指導の治療補助効果)

上記は湿疹コントロールが不十分な小児アトピー性皮膚炎患者さんにおいて、爪切りが遵守できれば、症状改善に有効である可能性を示唆する内容でもあります。
成人の方を含め、爪切りといった実践しやすい対策とその効果について、今後も掲載していきたいと思います。

小児アトピー性皮膚炎患者さんにおける就寝中の掻破状況
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3413

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