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酒さについて

2024.05.09

投稿者
クミタス

酒さは眉の間、鼻部・鼻周囲,頬部,頤部の顔面中央部に皮疹を生じ、脂腺性毛包を主とする慢性炎症と毛細血管拡張を特徴とする疾患で、30~50歳代に発症しやすく、比較的女性での発症が多い傾向があります。

酒さ病態形成には,遺伝要因と環境要因の複数の因子が関与するとも考えられており、2010年から2020年までの間に受診した酒さ340例に対して、臨床的な背景情報や酒さ症状増悪因子についての後方視的調査を行ったところ、
酒さの病型・症候分類でもっとも多かったのは、紅斑・毛細血管拡張型酒さで323例、丘疹・膿疱型酒さは97例、瘤腫型酒さは20例、眼型酒さは4例、酒さの増悪因子でもっとも多かったのは寒暖差で141例、日光曝露は60例、飲酒は17例、月経は6例であった。しかし、診察時に増悪因子についての聴取は少なく、外的因子による酒さ症状増悪の認識がまだ浸透していないことが示唆されています。
また、欧米人で酒さ患者さんのゲノムワイド関連解析(GWAS)では,メラニン合成に関連する遺伝子とTh2系炎症反応に関連する遺伝子の関与が示されており、日本人の酒さ患者さんにおいてはハウスダストやヤケヒョウヒダニIgEを保有する患者が多い、との結果報告も見られています。
温熱、香辛料の強い食事なども増悪因子の1つに挙げられていますが、背景や因子、治療方法などについても今後追記したいと思います。

出典・参照:入間田萌花 山﨑研志 東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学皮膚科学分野 酒皶340例における背景・増悪因子の検討
2.酒皶の発症・病態メカニズムと最新の治療 山﨑研志

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