魚卵によるアレルギーにおいては、イクラが多く、次いでタラコ、ほかにカズノコ、トビッコ、シシャモ卵、キャビアでの発症例がみられています。
魚卵のアレルゲンとしては、ビテロジェニン、リポビテリン、フォスビチンなどが挙げられ、イクラの主要アレルゲンであるビテロジェニンのβ’-コンポーネント(Onc k 5)は、タラコのビテロジェニンβ’-コンポーネントと交差抗原性があり、イクラ、タラコ、カズノコ間で交差反応を示すことがあると見られています。
シシャモにアレルギーのある方においては、イクラ、タラコにはアレルギー症状を示さないことがあります。
6歳男児。シシャモ(カラフトシシャモ)などの摂取後アナフィラキシーをきたした。シシャモの皮膚プリックテストの結果、シシャモの生の身は陰性でシシャモ卵は強陽性、加熱ではシシャモ身、シシャモ卵とも陽性であった。焼いたシシャモの食物経口負荷試験では、シシャモの身とシシャモの卵の食物経口負荷試験ではいずれもアナフィラキシーをきたし、シシャモの卵ではアドレナリン筋注を要した。イクラ、タラコはともに特異的IgE陰性かつ食物経口負荷試験で陰性であった。
7歳男児。シシャモ(カラフトシシャモ)などを摂取後にまぶたの腫脹あり。加熱シシャモの皮膚プリックテストでは身で陰性、シシャモ卵で弱陽性であった。焼きシシャモの食物経口負荷試験の結果、シシャモの身は陰性であったが、シシャモ卵はアナフィラキシーを認めた。イクラは自宅で症状なく摂取可能で、タラコの食物経口負荷試験は陰性であった(出典・参照:子持ちシシャモ (Mallotus villosus) によるアナフィラキシーの2例)。
シシャモ卵のアレルギーにおいては、加熱卵においても症状出現する場合があり、熱耐性のアレルゲンの存在が伺えます。
また、シシャモにアレルギー症状がある場合に、イクラ、タラコでの特異的IgEや食物経口負荷試験で陰性となり、症状を示さないことがあり、シシャモに特有のアレルゲンによる反応である可能性があります。反応するアレルゲンがシシャモに特有でイクラ、タラコに含有されず交差反応性も低いアレルゲンであった場合、イクラ、タラコにアレルギー症状があっても、シシャモは食べられる可能性も考えられるところでもあります。
魚卵は2、3歳の新規発症アレルゲンの上位に位置し20.2%を占める調査報告もありますが、すべての魚卵に反応するとは限らないところでもあり、個々の魚卵にて食べられるかどうか確認をできるのが望ましいでしょう。
シシャモ、カラフトシシャモによっても異なるのか、などについても情報を更新していきたいと思います。
赤肉アレルギーとマダニ咬傷
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