ゼリーにはゼラチンや寒天で固めた以外に、アガーゼリーなどゲル化剤で固めたゼリーも多く流通しています。アガーの主要な原料の一つとなることも多いカラギーナンは、ゲル化剤、増粘剤、安定剤として食品中に使用されることがあります。カラギーナンは海藻の紅藻類であるスギノリ、ツノマタ等を原料としており、主成分は β-D-ガラクトースと3,6-アンヒドロ-α-L-ガラクトースになります。寒天と構造が似ていますが、寒天より硫酸基の量が多い面があり、カラギーナンは硫酸基の数や結合位置、3,6-アンヒドロ-α-L-ガラクトースの有無により、ガラクトース基2つに1つの硫酸基がついている κ(カッパ)型、ガラクトース基2つに2つの硫酸基がついている ι(イオタ)型、ガラクトース基2つに3つの硫酸基がついている λ (ラムダ)型に分類され、混合したものが使用されることがあります。
特にκ(カッパ)型は乳タンパク質のカゼインと、強固なゲルを形成する特徴がありますが、最近ではカラギーナンを含む食品を摂食してアレルギー、アナフィラキシーを発症した例も見られています。
・カラギーナンが使用されたゼリー摂食後の反応
82歳女性にて、アナフィラキシーに至った原因の特定が困難であったが、ゼリーのみを摂食した後にもアナフィラキシーを生じたため、ゼリー中の食物、物質にて3度のプリックテストを繰り返した結果、使用されていた増粘剤のカラギーナンによるアレルギーとの診断を得た(出典・参照:ゼリー中に含まれていた増粘剤カラギーナンによるアナフィラキシーの1例)
・カラギーナンが使用されたアイスクリーム、ホイップクリーム摂食後の反応
海外での報告になりますが、12歳男児にて、アイスクリーム、ホイップクリーム摂食後に胸部の圧迫感、のどの痛みなどの症状が出現。アイスクリーム、ホイップクリームともに使用されていたカラギーナンの粉末を使用し食物経口負荷試験をおこなったところ、0.1gで胸部の圧迫感、のどの痛みが出現。1秒量(FEV1)が10%減少したが、気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV1)は14%逆転した(出典・参照:When Milk isn't the Problemd Carrageenan as a Trigger for Allergic Reactions to Dairy Products )。
症例報告数は多くはありませんが、食品添加物によりアレルギー症状が出現することがあり、一部の甘味料、着色料が原因となることがあります。
ゲル化剤、増粘剤、安定剤が使用される食品は、ゼリー、アイス以外にもゼリー飲料、またプリン、プリンミックス、チョコパイ、ケーキ菓子、クッキー、ココア、チーズ、ココナッツミルク、ドレッシング、たれの一部など多岐に渡っていますが、原因が特定しにくいアレルギーにおいて原因となっている可能性もあることを想定できると良いかもしれません。
甘味料とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2108
着色料にアレルギー症状を示すのか?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1571
スープの王子さま 顆粒 4袋入り アレルギー特定原材料等28品目不使用
65kcal/1包(15g・2皿分)当り
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しいst
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